CASIO XW-G1 / XW-P1

今回紹介するのは、カシオが満を持して登場させたシンセサイザー“XW-G1”。

カシオと言えば電卓はもちろん、G-SHOCK、電子辞書、デジカメなど、数多くの革新的プロダクツでカルチャーごと市場を作ってしまう程のスゴイ会社ですが、実は電子楽器においても、今や88鍵コンパクト型電子ピアノやキーボードの分野では世界屈指の巨大ブランドです。そんなカシオがシンセサイザー市場に革新的なプロダクツとして自信を持って投入したのがこのXWシリーズです。

まさに機能的なパネルレイアウト


XW-G1には様々な数多くの機能が搭載されていますが、パネル上でとても分りやすく機能的にレイアウトされています。嬉しいのが右サイドの空きスペース。ストッパー付のゴム製なのでiPad、iPhoneや小型ミキサー、エフェクターなどが置けるのが素晴らしい。

61keyの鍵盤は箱型でアクションも良好。ピアノ系音色なども絶妙に弾きやすいですね。何と言っても5.4kgという重さがスゴイ!確実にエフェクターなどを含めたエレキギターより軽いです。実際に私もソフトケースでXWをソフトケースでライブ会場まで運んだのですが、超ラクチンでした。ちなみに電池で約35時間(!)駆動します。

もちろん超が10個ぐらい付きそうなコストパフォーマンス。これからのシンセはこのような点もとても重要なファクターですよね


カシオのシンセ・ヒストリー

カシオといえば、やはりCZシリーズですね。1984年頃のDX大全盛期においてそのソリッドなサウンドはとても特徴的でした。当時のYMO高橋ユキヒロ氏や冨田勲氏の広告はインパクトがありました。


CZ-101(1984年11月)・・・PD(Phase Distoetion)音源を搭載したCZシリーズの第一号機。ミニ鍵盤。


CZ-1000(1985年1月)・・・CZ-101の標準鍵盤仕様。


CZ-5000(1985年4月)・・・同時発音数が倍の16音に。8トラックシーケンサー搭載


CZ-1(1986年8月)・・・ベロシティ、アフタータッチに対応したフラッグシップ・モデル。


FZ-1(1987年4月)・・・16bitサンプラーの草分け的モデル。


VZ-1
(1988年8月)・・・iPD音源を搭載しCZをより進化させた後継機。このモデルが最後のシンセサイザー機種だった。


このように、1980年代にカシオは多くのシンセサイザーを世に送りだしていたのです。その時代のDNAがしっかり今回のXWシリーズに継承されているのがとても素晴らしいですね。

では、細かく各セクションを見てみましょう。


強力な音源セクション

XW-G1の音源部分はHPSS(Hybrid Processing Sound Source)といって、

●シンセOSC1/OSC2ブロック:シンセ波形766種類、フィルター、アンプ
>MG、P5、OB、AP、CZ、JPなど往年のシンセの波形が満載。

●PCM OSC1/OSC2ブロック:PCM波形2,046種類、フィルター、アンプ
>超高品位波形のオンパレード。

●外部入力音ブロック:ピッチシフター、フィルター、アンプ
>自動でピッチ補正してくれるインテリジェントさ!

●ノイズブロック:ノイズオシレーター、フィルター、アンプ
>強力なノイズ発振器です。

という6ブロックのオシレーターで構成され、各ブロックに2系統のLFO変調と、最終段の出力の手前で強力なフィルター、エフェクトDSPがかかります。

これを図にするとこうなります。


パネル左サイドを見ると、上部の4つのツマミ(主にカットオフ、デチューン、アタック、リリース、リバーブの量等がアサイン)、下部の9つのスライダーにて各ブロックのエディットが簡単にできるのが分かりますね。

スライダーの機能は、左側のOSC BLOCK、ENV GENERATOR、TOTAL FILTER/LFOの3つのボタンで切り替えます。これはよくできています。


音楽の宝庫、ステップシーケンサー

XWがすごいのは、シンセサイザーとしてのサウンド・クオリティのスゴさだけではなく、最新の音楽パターンが満載されている点です。プリセットで100種類×8バリーションの合計800パターン!。

もちろん最新のダンスシーン(レディ◯ガ風、コール◯プレイ風などのヒット曲はもちろん、クラブ系、ヒップホップ系、エレクトロ/テクノ系などの定番、etc...)から、コンテンポラリーなロック、ポップ、ラテン系まで網羅しています。

もちろん、自分のオリジナルパターンも800種類作成可能です。

プログラミングは超簡単!!

上部のボタンは、16分割された1小節を表しています。スタートボタンを押すと、LEDが1から16まで流れるように点滅します。任意のボタンを押すLEDが点灯しますが、光が通過したところで発音する仕組みです。

例えば、1、5、9、13のボタンが点灯していると、1小節内で均等に4つの音が鳴ります。バスドラには最適なリズム・パターンですね。この要領でパートボタンでパートを切り替え、どんどんプログラミングしていきます。

ドラム1~5、ベース、ソロ1~2、コードでのプログラミングとなりますが、下部のスライダーでも入力可能です。スライダーの位置で音程が変わるので楽器音には最適。まさに鍵盤に触れることなく簡単に音楽パターンを作成可能です。

これは超画期的!

ミキシングも簡単にできるので、後から音色を変更したりエフェクトを加えたりできます。

さらにXWには、自分の演奏を録音再生できるフレーズ・シーケンサー(100のプリセット・フレーズも搭載)やアルペジオ(100のプリセット・アルペジオ搭載)もあり、もちろんこのステップシーケンサーに完全同期します。まさにXWならではの音楽制作環境がスタンバイ状態!


    


超クリエイティブなサンプル・ルーパー

XW-G1ならではの機能は何と言ってもこの「サンプル・ルーパー」です。名前のとおり、サンプリングする長さを指定して、その間隔内でどんどん音を重ねて音楽をリアルタイムに作っていく手法が簡単にできます。

RECボタンを押すと「NORM-AT」というオートで録音するモードになり、赤いLEDが点滅します。この状態で鍵盤を弾けば自動的に録音を開始します。テンポは設定されている状況で自動的に判別されているので、何も考えずにバンバン録音します。次に重ね録りをする際も、自動的にオーバーダビングモードで待機状態なので、この状態でRECボタンを押し、ループレコーディング行います。いや~~ホント簡単です。

もちろん、MICインプット、INSTインプットがあるのでマイクやギターを接続して録音も可能。
さらに、サンプリングした音を自動的に鍵盤上に順番に割り振ってくれる「スプリット・モード」など至れり尽せり。完全に市販の単体ループ・エフェクター並の機能です。

ホントスゴイ!!ちなみにSDカードにストアできます。

XW-P1もスゴすぎ

XW-G1のGが“グルーヴ”という意味なのに対し、XW-P1のPは“パフォーマンス”を象徴しています。

XW-P1には“サンプル・ルーパー機能”は搭載されていませんが、XW-P1だけの機能として9本のスライダーを生かした“ドローバーオルガン”(パーカッションやロータリースピーカー機能も搭載)と6つの音源をミックスして分厚い音を作れる“ヘクスレイヤー音色”があります。もちろんステップシーケンサーによる音楽パターンは共通。ライブパフォーマンスにも最適なのでファーストシンセとして超オススメですね。


まとめ

このようにXW-G1はカシオが提案するシンセサイザーとしてのクリエイティブなアイディアが詰まった極上のシンセサイザーです。
グルーブ・ギアとしての魅力が満載ですな。ダンス系を目指す方のファーストシンセとして、また今までとは違うキャラクターを求めたい方の2台目のシンセとしても超オススメです。

また、ボーカロイドを買って伴奏の音楽作成に悩んでいる方にも超オススメですね。XWは、なんたって音楽パターンの宝庫ですから、アッと言う間に伴奏ができちゃうよ!


映像によるデモ



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