UVI Attack EP88
- 2019/12/11
- English version is available!
ここに注目:
- 世界初のタック・エレクトリック・ピアノ音源登場
- これまでのエレクトリック・ピアノとは異なるサウンド
- Rhodes Mark Iをベースに改造されたタック・エレクトリック・ピアノ
UVI Attack EP88 は、UVI Workstation や UVI FALCON で動作するプラグイン・インストゥルメントです。見た目のイメージは普通のエレクトリック・ピアノ音源のように見えるUVI Attack EP88ですが、普通のエレピサウンドはもちろん様々な種類のサウンドが収録されていますが、タックピアノ形の音を出した瞬間、いつも聞き慣れたRhodesやエレクトリック・ピアノ・サウンドのアプローチとはかなり違うことに驚きます。
タック・ピアノとは?
タックピアノという聞き慣れない楽器は普通のエレピのサウンドと一体何が違うのか、とても興味深いです。
まず、「タック」というキーワードを調べたところ、画鋲(タック)という単語が出てきました。そこで、「タック・ピアノ」と調べて要約すると、「変造ピアノの一種で、鍵盤のハンマーが弦を叩く位置に画鋲(タック)が置かれ、打鍵時に金属のアタック音が付加される方式のピアノ」となっていました。
エレクトリック・ピアノ音源の Attack EP88 は、フルレストアされた88鍵 Rhodes Mark I のハンマーに画鋲を打ち、打鍵時の金属アタックサウンド、エレピ・サウンドを3種類のアプローチとマイクで入念にサンプリングし、そのサウンドを自由にカスタマイズできるエレクトリック・ピアノ音源として開発されました。
金属の画鋲(タック)を付けて改造されたハンマーでたたかれ、アタックの強調された独特なサウンドは、かなりのインパクトがあります。
インストゥルメント・メイン
メインの画面を見ただけでは金属Attackの強烈なサウンドはイメージ出来ませんが、上部のアコースティック・ソース、下部のエレクトリック・ソースに Attack EP88 の重要なサウンドのパーツが割り振られて構成されています。
アコースティック・ソース
インストゥルメントの上の赤い点線部分が、アコースティック・ソースになります。Rhodeのケースを空けた状態で、金属のトーンバー、左にCONTACT、センターにMONO、右側にSTEREOの音源があります。
それぞれのアプローチでセッティングされたマイクで収録したサウンドは、ノートごとに8段階のベロシティとサスティン、リリース・サンプルで、47,000のサンプルが収録されています。また、それぞれオンスイッチとMUTE、ボリュームがあり、CONTACTのみ、ハンマーアクション音の音の立ち上がりコントロールするATTACK TRIMがあります。
CONTACT
コンタクトマイクをトーン・バーに取り付けて収録されたサウンドをコントロールします。
- マウント・スイッチ
コンタクト・マイクで収録されたサウンドのオンで読み込みを行います。
- ミュート・スイッチ
コンタクト・マイクのミュートを行います。 - ボリューム
- ATTACK TRIM
コンタクト・マイクでサンプリングされたサウンドのスタート・ポイントを調整します。
MONO
モノラル・ソースは、エレクトリック・ピアノ全体をモノラルでNeumann U67 マイクを使って収録したサウンドをコントロールします。
STEREO
ステレオ・ソースは、エレクトリック・ピアノ全体をステレオペアのBruel & Kjaerマイクを使って収録したサウンドをコントロールします。
エレクトリック・ソース
インストゥルメントの下の点線部分は、エレクトリック・ソースと呼ばれる通常のRhodes Mark Iの音源部になります。Attackを強調したEP88ですが、ベースとなるRhodes Mark Iのエレクトリック・ピアノサウンドだけでも、とてもいい音です。
タック・サウンドを使用しなければ、とても良質な数種類、数ギガに及ぶ Rhodeサウンドが収録されているので、それだけでも十分使えるインストゥルメントです。
- SIGNAL
DI(DIRECT INPUT)と温かみのあるTUBEサウンドを選択することが出来ます。
- EQ
BASS,MID,TREBLEの音質を調整出来ます。
- TREMOLO
Rhodesサウンドの独特なTREMOLO、PAN(STEREO PAN)のエフェクトを調整出来ます。
FX
FXもアナログ・シグナルとエレクトリック・シグナルの上下で使用するエフェクトが別れます。
アコースティック・ソース
アコースティックのシグナル、CONTACT・MONO&STEREO、それぞれのサウンドにエフェクトを掛けることが出来ます。エレクトリック・ソースのサウンドにはかかりません。
- EQ
3バンドのEQ。 - DELAY
テンポシンク可能なデジタルディレイ。 - SPARKVERB
UVIの高品位なSPARKVERBが使えます。
エレクトリック・ソース
4種類のエフェクターが用意されています。また、エフェクターは、下部のエレクトリック・ソースのサウンドのみにかかるようになっています。Rhodesサウンドだけで使用する場合、TREMOLOとこのエフェクターだけでも十分なサウンドを得られます。
- DRIVE
ドライブでRhodesのサウンドを歪ませる事が出来ます。 - THORUS
Rhodesサウンドには欠かせないCHORUSエフェクトで、ENSEMBLE、CHORUSをDEPTHとSPEEDでコントロール出来ます。 - PHASER
STEREOタイプのFEEDBACK調整可能なPHASERです。 - DELAY
DELAYは、TIMEがテンポと同期可能なSTEREO、MONOタイプになっています。 - REVERB
エレクトリック・ソースのリバーブは、スプリング系のリバーブになっています。
SETTINGS
アコースティック、エレクトリックそれぞれのサウンドのエディットが行えます。アコースティック・ソースの金属サウンドをエンベロープを使ってアタックを遅くしたりする事で、パッドサウンドのような効果を得たり、STEREOのデチューンでサウンドに厚みを持たせたりすることが出来ます。また、PEDAL VOLUMEでは、ペダルを踏んだときのノイズの音量を調節することが出来ます。
WHEEL STRUMとPITCHBEND RANGEのパラメーターは、共通で動作します。
WHEEL STRUMは、モジュレーション・ホイールを使って弦をはじいた効果を出すことが出来ます。金属音とエンベロープを上手く使って、グラスハープのようなサウンドに効果があります。
アコースティック・ソース
CONTACT・MONO&STEREO、それぞれアコースティック・ソースのアンプ・エンベロープやダイナミクス、フィルター、STEREO設定のセッティングが行えます。
エレクトリック・ソース
デザインは異なりますが、アコースティック・ソース同様に、アンプ・エンベロープやダイナミクス、フィルター、STEREO設定のセッティングが行えます。
VOICING
ATTACK EP88のノート毎の細かいエディットが行えます。
- VOICING
エレクトリック・ソースのシグナルのみ、ノート毎のピックアップに対するトーンバーのポジションを3段階で設定することができます。(Rhodesサウンドが3種類の響きのサンプルの中から指定することが出来ます)
Position-1:SHALLOW
Pure Over Tone:通常の響き
Position-2:IDEAL
More Over Tone:より豊かな倍音
Position-3:DEEP
Pure Fundamental:倍音成分の少ない響き
サンプルの違いでプリセットもそれぞれ用意されています。
- TUNING
ノート毎のチューニングを±50セントで設定することが出来ます。アコースティック、エレクトリック、両方に作用します。
Sound and Operation Demo [No Talking]
デモでは、プリセットの紹介をしながらエフェクトやTREMOLO、エンベロープ、アコースティック・ソース(タック)のサウンドとオペレーションによる変化を紹介しています。
後半では、一つのエレクトリック・ソースのエレピサウンドを使って、アコースティック・ソースのサウンドを加えながら、エフェクトを調整して音を作り上げています。UVI WORKSTATIONにもエフェクターを内蔵しているので、Attack EP88のマスターソースにUVI WORKSTATIONのエフェクトをかけたエレピサウンドを試しています。
好みのアタックを調整しながら、普通の聞き慣れたRhodesサウンドからダイノマイピアノ、アタックを強調したタック・レクトリック・ピアノまで、幅広い音作り込める新しい発想のエレクトリックピアノ・インストゥルメントです。
No Talking
販売情報
¥11,550 税込 ¥16,500(2019/12/16 現在)