第2回 ROLAND GAIA SH-01 基本プログラミング編

前回はローランド “GAIA” SH-01の概要とプリセット音色の紹介をしましたが、今回の第2話では、よりGAIAの真髄を追求すべく、より深い音源のしくみについて見てみましょう。この記事とムービーでシンセサイザーの基本が理解できてしまう事をお約束しちゃいます。

基本を理解すべし!

今回のポイントはこのパネル部分。

右から、LFO、OSC、FILTER、AMPと整然と並んでいますが、まさにGAIAの心臓部がココ! アナログ・シンセサイザーとしての基本がバッチリ詰まっています。ココを徹底解剖しましょう。

OSC(オシレーター)

音源、音程を扱うセクション。ここにGAIAの音の源があります。それは左上にある“WAVE(波形)”。


全ての音はオシロスコープなどで見ると波形として形で表すことができるのですが、GAIAに搭載されているWAVEは上から、ノコギリ波、矩形波、パルス波、三角波、サイン波、ノイズ、スーパーソウ波形があります。

ちなみに波形は横幅の振幅数で音程、縦軸の振幅数で音量を表します。

オシロスコープで表したサイン波の画像

搭載する波形は以下の7種です。

ノコギリ波
全ての倍音を含んだ明るい音。トランペット、ストリングスに最適

矩形波
奇数次の倍音を含んだ音色。クラリネット的響き。

パルス波
矩形波の幅(パルス幅)を変化できる波形。オーボエからクラビのような響き。PW(パルスワイズ=パルス幅)のスライダーでパルス幅の変更が可能。

三角波
ほんの少々倍音を含んだ暗めの音。

サイン波
全く倍音を含まない基音だけの音。

ノイズ
全ての音程を含んだ雑音。

スーパーソウ波形
ノコギリ波を多層で構成させた特殊な波形。

GAIAではこれらの波形のバリエーションがそれぞれ3種類搭載されています。往年のビンテージ・アナログ・シンセサイザーでは、部品の違いなどで波形が同じでも全くキャラクターの違う機種が多数あるのですが、その違いがうまく表現された波形が満載で、音作りの幅は相当でしょう。

音程はPITCH(ピッチ)で半音階、DETUNEで微調整できます。PWM(パルス・ワイズ・モジュレーション)のスライダーではLFO(後述)によるパルス幅の変調も可能です。

OSCのエンベロープはA(アタック=立ち上がり)とD(ディケイ=減衰)。ENV DEPTH(エンベロープ・デプス)によりエンベロープの変調量を加えます。(+方向で山型。-方向で谷型に音程が変化します。)

FILTER(フィルター)

音色を扱うセクション。


フィルターで倍音成分を削ることにより、音色が変化します。削る役目は、上部中央のCUTOFF(カットオフ)つまみ。

削り方のバリエーションとして、左上のMODE(モード)スイッチにあるLPF、HPF、BPF、PKG、BYPASSがあります。また、SLOPE(スロープ)による全体の効きも変更できます。

-12dBではストリングスやパッド等に適していて-24dBはリードやベースなど、太く過激な音色変化が必要な場合に最適です。

LPF(ローパス・フィルター)
高次倍音を削ります。よって音色が丸くなっていきます。

HPF(ハイパス・フィルター)
基音側の倍音を削ります。よって低域がなくなっていきます。

BPF(バンドパス・フィルター)
高次倍音と基音側の両方を削ります。

PKG(ピーキング・フィルター)
特定の帯域を強調させる。レゾナンスの設定で帯域を決める。

BYPASS(バイパス)
フィルターを通さない。

右上部のRESONANCE(レゾナンス)つまみは、最もシンセサイザーらしさを演出できるいわゆる“ミヨ~ン”サウンドの張本人。GAIAのレゾナンスは、私の所有しているminimoogと同様、0(ゼロ)の状態では豊かな低音成分を含んでいますが、上げていくとどんどん過激になり低音成分も減っていくタイプです。最大の状態でCUTTOFFを調整すると自己発信します。

KEY FOLLOW(キー・フォロウ)は、鍵盤上で上に行くに従ってフィルターの効きを強くする機能です。

フィルターのエンベロープは、

  • A(アタック=立ち上がり)
  • D(ディケイ=減衰)
  • S(サスティーン=鍵盤を押している間の持続レベル)
  • R(リリース=鍵盤を離した後の余韻)

で構成され、ENV DEPTH(エンベロープ・デプス)によりエンベロープの変調量を加えます。
(+方向で山型。-方向で谷型に音色が変化)

AMP(アンプ)

音量を扱うセクション


ここでは、最終の音量レベルの調整と、エンベロープです。フィルターと同様にADSRで構成されているが、常にLEVELで決められた音量が出ているのが前提なので、エンベロープのデプスは存在しません。

LFO(エルエフオー)

変調(一定の揺れ)を扱うセクション。

LFOはLow Frequency Oscillator(ロー・フリキュエンシー・オシレーター)の頭文字を称していて、非常に低い音を利用して一定の揺れを作り出し、それを様々なサクションで変調させる機能です。

変調はいわゆる“くすぐり”みたいなもので、OSCに変調するとピッチの揺れとなってビブラート効果となり、FILTERに変調すると音色が揺れてワウワウ効果となり、AMPに変調すると音量が揺れてトレモロ効果となります。

上部のSHAPE(シェイプ)で揺れの形、RATE(レイト)で揺れの速さをコントロールする。下部のスライダーで、ビブラート効果、ワウワウ効果、トレモロ効果の深さ(+-両方向有り)をコントロールでき、さらにFADE TIME(フェイド・タイム)で揺れが起こるまでの時間差を出せます。

すなわち鍵盤を押してから2秒後に揺れが徐々に始まるといったことが可能です。

これでアナログシンセの基本はOKだ!

GAIAとは、こんなに分りやすくアナログシンセの仕組みを理解できる構造を持ったシンセサイザーなのです。

上記の説明は、動画でもじっくり音と共に解説しています。このレビューとムービーで100%理解できるでしょう!!

私が保証します!

全てのシンセサイザーは、この音源/音程、音色、音量、エンベロープ、LFOという全く同じ構造で成り立っています。ぜひ、アナログ・シンセサイザーの仕組みをこの機会にGAIAで完璧に理解しちゃいましょう。

次回のGAIAその3では、3レイヤーやエフェクト、多彩な機能による秘技など、もっと深く面白いところを紹介します。

お楽しみに!!

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