YAMAHA MONTAGE V2.0 新機能紹介
- 2018/05/10
- English version is available!
ここに注目:
- 進化し続けるYAMAHAのフラッグシップモデル
- 今回のバージョンアップで進化した機能とは?
YAMAHAのMONTAGEは、YAMAHAの最新の音源システム ”Motion Control Synthesis Engine” を搭載したフラッグシップモデルのシンセサイザーです。MOTIFシリーズで搭載されていたシーケンサーは搭載されず、AWM2とFM-X音源を搭載した、まさに本格的なシンセサイザーとして登場しました。今回、ファームウェアがバージョン2.00にアップデートされたMONTAGEの新たな機能を紹介したいと思います。
新しいパフォーマンス(プリセット)の追加
MONTAGEは、リアルで高品質なPCM音源のAWM2音源と、8オペレーター128ボイスに進化させた、FM-X音源、この二つを搭載したハイブリッド音源です。
また、新たなインターフェース・ノブダイヤル、SUPER KNOB(スーパーノブ)による”Motion Control”を備えました。”Motion Control” は、MONTAGEのハイブリッド音源で作られたサウンドにコントロール可能な多彩なソースをスーパーノブにアサインすることができます。このスーパーノブを使ってアサインされたソースのパラメーターを制御することで、サウンドに連続的な変化、複雑な変化を与えて表現することが出来ます。
今回のV2.0で、新しいパフォーマンス(プリセット)が99種も追加されました。
過去の資産を活用できるパフォーマンスデータのと互換
MOTIFシリーズ(MOTIF,MOTIF XS,MOTIF XF)、MOXFのボイスデータ、フォーマンスデータの読み込みが出来るようになりました。この機能が意味することとは、過去に所有していた、または現在も所有しているMOTIFシリーズ,MOXFで作成したボイスデータ、パフォーマンスデータをMONTAGEに直接読み込みすることがでるので、過去の資産を最新のマシン、最高の音質で再現できる事になります。
また、そのボイスデータ、パフォーマンスデータをMONTAGE独自の最新機能を使ってEDITする事で、更に高品位なボイス、パフォーマンスを組み立てることが出来ます。
MOTIFシリーズ,MOXSを持っていなかった人も安心して下さい。YAMAHAのサイトからパフォーマンスをダウンロードすることが出来るので、Motif シリーズやmoXFを持っていなくても、ダウンロードしたボイス、パフォーマンスデータを使用することで、MONTAGEでMOTIFシリーズ,MOXFのパフォーマンスの再現や、エディットすることで、自分だけのオリジナルサウンドを作ることが出来ます。
システムセッティング関連のアップデート
今回のアップデートでは、操作性を設定するシステム・セッティングでも細かなアップデートが行われました。
- ライブセットのフォントサイズが変更出来る
- 起動時に選択されるライブセットのスロットが設定できるようになった
- グローバルA/Dで音量をキープする
- グローバル・テンポでテンポをキープする
ライブセットのフォントサイズ
最近のシンセサイザーは本格的な高解像度の液晶画面を搭載し、様々な情報やパラメータを表示する事で使いやすさを向上させてきました。ただ、ディスプレイの表示サイズの固定化は、ライブや使用する環境など、周りの環境に左右される場合があるので、人によっては時に使いづらく感じる場合があります。
今回のアップデートでは、ライブセット画面とカテゴリーサーチ画面の文字サイズを”Normal”と”Large”から選択できるようになりました。使う人によっては、かなり操作性がアップする、細かな気配りの機能だと思います。
起動時のライブセットの指定
電源投入後の初期起動時のライブセットも指定できるようになったので、毎回ライブセットを指定し直す手間が省けるようになりました。
テンポを統一できるようになった
MONTAGEのパフォーマンスは、それぞれのパフォーマンス・プリセット毎にテンポが設定されています。アルペジエーターによるフレーズはそのテンポに追従し、パフォーマンスを切り替えると、そのパフォーマンスのテンポに切り替わってしまいました。これは、ある意味普通のことです。
今回のバージョンでは、テンポセッティングという設定項目に”GlobalTempo(グローバルテンポ)”というパラメーターが追加されました。これは、一意のテンポを設定することで、全てのパフォーマンスが同じテンポをキープしたまま動作する機能です。
では、実際にどの様な使い方が想定されるのか?
ライブなどのパフォーマンスで、お気に入りのパフォーマンスを事前にMONTAGEの”ライブセット”(プリセットを集めたセットページ)に用意しておき、グローバルテンポのテンポを135bpmに設定しておく。
グローバルテンポで事前に固定のテンポを仕込んでおくことで、ライブ、ダンスパフォーマンス中などでテンポをキープしながら、次々にパフォーマンスを切替え、演奏、操作をすることが可能になります。
グローバル A/D
MONTAGEにはアナログ入力が装備されています。このアナログ入力に外部プレーヤーなどからのソースを入力することで、MONTAGEのアウトプットより、ミックスされて出力されます。
今までのバージョンでは、このアナログ、デジタル変換に入力されたソースの音量は、パフォーマンス(パッチ)が切り替えられることで、そのパフォーマンスのボリューム設定に依存してしまっていました。
それが今回のバージョンから、グローバル A/Dというパラメータとして、ADインプットのソースのボリュームはパフォーマンスの音量に依存することなく、パラメータで設定した音量に固定されたまま、出力されるようになりました。カラオケミックスデータなどを流しながら演奏するときなどに効果を発揮する機能です。
ユーザー・オーディションが作れるようになった
オーディション機能は、膨大なプリセットのサウンドのイメージが沸くよう、メーカーサウンド毎に用意、アサインしたオーディションの為のフレーズで、”AUDITION” を押すことで、プリセットのサウンドを確認する機能です。最近ではどこのメーカーのシンセサイザーでも標準的に装備されるようになりました。
今回、そのオーディション機能のフレーズをユーザー自身が自由に作成して、ユーザー・オーディションとして保存する事が出来るようになりました。これで、自分の得意なフレーズや聞き慣れたフレーズパターンをオリジナルのオーディションとして保存、再生して、プリセットサウンドを聞き比べるようなことが出来るようになりました。
エディット時に便利になった機能
その他、今回のアップデートではエディットが快適になるよう、ショートカットの配置やパラメータのアサインなどが見直されています。
- エンベロープフォロワー画面にコントロールアサイン画面へのショートカットを追加
- [CONTROL ASSIGN] ボタンを押したときに表示されるダイアログで、スーパーノブ、モーションシーケンサーレーン、エンベロープフォロワーを選択できるように
エディットに関するアップデートは、文字ではなかなか伝えづらいので、ビデオで詳しくサウンドと共に説明しています。是非そちらで音とともにチェックしてみてください。
これからもシステムのバージョンアップで様々な機能が増えて成長していくYAMAHAのMONTAGE、目が離せません!
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著者: musictrack