sE Electronics社 製品インタビュー

sE Electronicsは、高品質なコンデンサーマイクや、マイクリフレクションとのバンドル製品など、ユニークかつユーザーのニーズを捉えた製品を数々リリースしており、その高品質な製品はプロの現場でも高い評価を得ると共に、著名なミュージシャン、エンジニアも使用するトップブランドとなっています。

今回は、5月に来日したマーケティング、営業の担当者にインタビューをすることが出来たので、その内容をお伝えしたいと思います。

sE Electronics社は英国に本社を持ち、コンデンサーマイクでは今やトップブランドのメーカーです。会社設立当初は、OEMビジネスを主体として事業を展開していました。

また設立当初、規模は小さい会社ながらも常に新しい発想と製品、クオリティを追い求めており、ノイマンに続く会社を目指し、その思想は現在も変わらないことから、常に高品位な製品を絶えずユーザーに提供し続けることができるのでしょう。

生産とコストパフォーマンスのこだわり

当初、製品を生産する方法として製品をラインで大量生産する方法と、ハンドメイドによる一つ一つ手をかけた製造の2つの方向性がありましたが、sE Electronics社は常に高いクオリティを提供することを重視し、またノイマン、AKGなどのクオリティ、レベルを持つ製品を追求し、提供することを目的としていたことからも、ハンドメイドによる製造にこだわる選択をしました。

もちろん、製品のターゲットユーザーもハイエンドなマイクを使うスタジオ、エンジニア、アーチストをターゲットにしており、製品の開発と、一本一本丁寧なハンドメイドによる製造によって次々と新しい製品を市場に出してきました。

ハンドメイドによる製造方法を選択しながらも、コストをかけないことがもう一つの条件としてあったため、生産の拠点を中国に置き、現地で技術者を一から教育し、入念な品質管理、すべての行程でクオリティチェック、最終的に仕上がった製品を一本ずつテストをして出荷するなどして、コストカットと製品のクオリティアップの両立をさせることに成功しました。

また、コストダウンは、大々的なマーケティングやプロモーションなどにコストをかけないこと、アーチスト、ミュージシャン、エンジニアとのコミュニケーションや信頼関係によって製品の開発を行うとともに、地道な評判の広がりによる販売チャネル、使用するユーザーを増やしてきました。

会社のポリシーの一つでもある「スタッフ第一」というキーワードも、会社とスタッフとの厚い信頼関係、その結果生まれる高品質な製品など、会社のポリシーが高品質な製品に影響しているのは間違いありません。

製品の特徴

製品の特徴として、他社のハイエンドマイクの製造と同様、素材にソリッドブラスを使用していること、すべてのパーツを自社の開発、製造によって製品化するという素材重視のこだわりがあります。

これも、製品の価格帯に関係なく「すべてをハンドメイドで」という会社のポリシーと「素材重視」を併せた結果、高品位な製品を提供している要因なのでしょう。

また、通常であれば製造工程やパーツなどの仕様は秘密主義であることが多いのですが、この会社はすべての取材をオープンにしているとともに、製造工程や細部にわたるパーツまでもがオープンにされています。
これも、彼らの製品と品質に対するこだわりと、自信の現れなのでしょう。

これだけの品質とクオリティを保ちながら、他社製品と比較して、同等な製品、品質、性能のレベルをミドルレンジの価格帯に納めるという企業努力と会社のポリシーが、すばらしい製品とユーザーに絶大な信頼のある製品を世に送り出している理由といえるでしょう。

製品に対するコメントと紹介です。

Gemini

2つの真空管が内蔵されています。1つめのTubeでは柔らかくかつ、暖かい音を。2つめのTubeで、周波数特性を広域まで生かせるようワイドレンジな特性を出せるように設計しました。
マイクも楽器と同じようにモデルによって、個性を出しています。

sE4400

AKG414の「昔の音(オリジナルの音)」を再現するよう、開発を行いました。新しいAKGの414は、電子スイッチが増えたことによってノイズも増えました。

私たちの製品、sE4400はすべてアナログで開発、製造し、オリジナルのショックマウントで自在のマイキング、セッティングができるようにしました。本体からマウントまで考えられています。また、価格も414の半分の価格で提供し、年々倍の勢いで売れています。

X1

X1はsEマイクロフォンの遺伝子を継ぐ初のエントリーモデルです。ホームスタジオユースにフォーカスして開発されたコンデンサーマイクとなります。その ユニークでスタイリッシュなボディーは他社のマイクと一線を画しています。このクラスでは類を見ない、ブラックラバー塗装仕上げです。もちろん他のsEマイクと同様に、OEM供給ではなく、ハンドメイドダイアフラムから筐体までを自社工場で生産しています。

もちろん外観だけではなく、ふくよかなそのサウンドもsEならでは。1インチのハンドメイドのラージフラム、10dBパッド、ベースカットSWを装備し、ボーカルはもちろんあらゆる楽器の収録に最適です。

リフレクションフィルター

リフレクションフィルターは、ボーカルの録音など拾ってしまう周囲の雑音などを軽減することで、コンデンサーマイク本来の性能を最大限に引き出すアイテムです。

sE Electronicsは4年ほど前にリフレクションフィルターを発売開始して以降、その性能と使い勝手の良さで瞬く間にトップシェアの製品となりました。狭いスペースや反響が良くない環境でも、不要な反射音をカットします。

また、他社の単純なスポンジ材を使ったものとは格段に性能が違います。これからはホームスタジオでも、ボーカルやアコースティックギターなどの収録にリフレクションフィルターを使うことで格段に今の自宅録音環境を変えることができます。

sE Electronicsのリフレクションフィルターには、2つのラインアップがあります。

Reflextion Filter Pro

残響調節用のポータブルデバイスです。部屋の形状や材質により不要な反射音が発生するのを解消し、クリアに収録できます。様々な形状のマイクやスタンドと組み合わせても、付属のクランプにより柔軟にセッティングでき、特に音響処理をされていないスタジオ(もちろんホームレコーディング)で有効です。ボーカ ルやナレーション収録だけでなく、ギターやベースのアンプ、さらには外録でも抜群の効果を発揮してくれます。

Project Studio Reflextion Filter

新たに設計を見直したエントリーモデルのリフレクションフィルターです。基本的な設計はオリジナルのリフレクションフィル ター(Proモデル)を踏襲しています。反射繊維部の複数層構造は採用されていないものの、同じ特許出願中のポリエステルフォームを採用し、充分な音響処理を実現しています。他社の単純にスポンジ材を使ったものとは格段に性能が違います。

X1 HOME STUDIO BUNDLE

前述のコンデンサーマイクX1とリフレクションフィルター(Project Studio Reflextion Filter)をバンドルし、理想の録音環境を日本円で31,500円(税込み)と、驚くような低価格に設定してバンドルしました。

X1 Home Studio Bundleは、リーズナブルでクオリティの高いマイク録音を可能にするべく、ホームスタジオユースということにフォーカスして新開発された、 PSRF(プロジェクトスタジオ・リフレクションフィルター)と、ラージフラムを採用したX1(コンデンサーマイクロフォン)をセットにしたバンドル製品です。

X1 Home Studio Bundleだけで、ハイクオリティーなレコーデングマイクロフォンと、部屋の形状や材質による不要な反射音を解消しクリアな収録を可能にするリフレク ションフィルターの両方が入手できます。ホームスタジオでも思い切り良い音質でレコーディングを楽しめます。

採用アーチスト

sEElectronicsのマイクを使用する著名なアーチスト、エンジニア、プロデューサーはますます増えています。

  • Stevie Wonder
  • Foo Fighers
  • Eric Clapton
  • Amy Winehouse
  • SNOOP DOGG AND WILLIE NELSON

さらにおすすめ

Novation Circuit Tracks

Novation から新しいグルーブボックス、Circuit Tracks は、が発売されました。以前ミュージックトラックでも紹介した Circuit と Circuit Mono Station というグルーブボックスがありましたが、これはCircuit の後継機種になります。

ZOOM ZFX 基本編

さて、この「基本編」では、ZFX Plug-Inソフトウエアについての基本、プリセットについて解説します。各セクション、プリセットの解説 ZFX Plug-Inを立ち上げると、このような画面が立ち上がります。 左にギターアンプのヘッドが並んでいますが、このエリアはアンプ・キャビ...

MODARTT PIANOTEQ

メイン画面は見ての通りとてもシンプル。 1. プリセットされた様々なピアノを選択できます。2. 選択されたピアノの構造を、ボタンを押すたびにランダムに変化させることができます。3. ピアノに張ってある弦のチューニングに関するセクションです。4. 弦をたたく部分であるハンマーの固...

IK Multimedia iRig Keys I/O

IK Multimediaから新しいコントローラー、iRig Keys I/O が発売されました。iRig Keys , iRig Keys Proに続き、iRig Keys I/O は、25Keyと49Keyの二種類がラインナップされています。名前からも十分...

SM Pro Audio V-MACHINE

今回紹介するハードウェアは、DAWやDTMのホストアプリケーションでは一般的なプラグインフォーマットであるVST/VSTiをホストコンピューター無しで動かしてしまうというなかなかのアイデア商品です。 ハイエンドな製品としては、ラックマウント型のmuseRESEARCH社のRece...

UVI SYNTH ANTHOLGY 2

SYNTH ANTHOLOGY 2は、ビンテージのアナログシンセサイザーの名機から近年のデジタルシンセサイザーの名機と言われたマシンまでをも網羅した、UVIのインストゥルメントです。 SYNTH ANTHOLOGY 2は、アナログ・シンセサイザーの音をエミュレーションしたシンセサ...

もっと記事を見る

page top