KORG monotron
- 2011/01/12
今回紹介するのはコルグのmonotron。何と言う小ささ!でもこの小さな筐体の中に、アナログ・シンセサイザーのエッセンスが凝縮されているのです。もうホント、びっくりでございます。
まずは、パネルを見てみましょう。
このシンプルなパネル!大好きです。左から、standby(スタンバイ)、pitch mod(ピッチ・モジュレーション)、cutoff mod(カットオフ・モジュレーション)の切り替えスイッチがあり、standbyの位置で電源オフ、pitch modとcutoff modの位置で電源オンとなります。
その右横には音程をコントロールするVCO(ブイシーオー=ボルテージ・コントロールド・オシレーター=発振器)のpitch(ピッチ=音程)のつまみ。中央部分には揺れを作り出すLFO(エルエフオー=ロー・フレキュエンシー・オシレーター=低周波発振器)のrate(レイト=速さ)とint.(インテンシティ=深さ)のつまみがあります。
何とrateつまみは赤く光り、その速さに応じた点滅をします。右サイドには、音色をコントロールするVCF(ブイシーエフ=ボルテージ・コントロールド・フィルター)のcutoff(カットオフ=倍音を削ることで音色の明るさをコントロール)とpeak(ピーク=cutoff付近の周波数を持ち上げて音色にクセを付ける機能)のつまみがあります。
パネル下部には、演奏するためのリボンコントローラー(鍵盤の絵がプリントされている)があります。そうそう、もちろんパネル右上にスピーカーも搭載されていますよ~。
バックパネルには、ボリューム、ヘッドホン・ジャック、AUX入力の端子があります。ヘッドホン・ジャックは音声出力も兼ねています。
AUX入力端子に携帯型音楽プレーヤーなどを接続することにより、外部の音源をmonotronのVCFでコントロールできます。裏パネルの蓋をあけ、単4電池を2本格納することで電池駆動できます。
Monotronの実力は?
では、monotronの回路図を見てみましょう。コレです!
しっかりシンセサイザーとしての回路が構成されているのが分かりますね。この回路はまさに、往年のコルグ・シンセサイザーの名機、あのMSシリーズを元にしてシンプルに構成されたものなのです。
それになんと、VCF回路にはMS-10/20で使用されたものと全く同じ回路を使用しています!!
どうりで強烈かつ劇的な変化をするわけだ。VCFのPeakを目一杯右に回した状態で、cutoffを回してごらんなさい...その強力な爆裂フィルター変化音にぶっとびますぜ!!
MS-10
さてここで、mod(モジュレーション)とLFOとの関係について見てみましょう。
電源オン/オフを兼ねたこのセレクターですが、pitchモジュレーションとcutoffモジュレーションは以下の関係となります。
VCO(ピッチ=音程)によるモジュレーション(=変調ともいう)とVCF(フィルター=音色)によるモジュレーションの違いはなかなか言葉で説明するのは難しいのですが、ここはしっかりDVDに収録されたムービーでご確認くだされ~。
さて、演奏はリボンコントローラーで行ないますが、ここでTipsをひとつ。
このようにプリントされた鍵盤の絵のとおり、1オクターブ強の音程を演奏することができますが、VCOのpitchつまみで音程レンジを可変することができます。他の楽器とアンサンブルする場合は、正しい音程をpitchつまみで合わせると良いでしょう。
それと......通常片手でリボンコントローラー上での演奏をする場合が多いと思いますが、
なんと!!
1箇所リボンコントローラーを押した状態で、他の指で弾いた場合、演奏範囲のレンジが約3度ぐらいのレンジに変化します。
すなわち、微妙な音程のコントロールができるのです。ぜひお試しあれ!(DVD内でも紹介してまっせ~)
Monotronの兄弟的シンセガジェット達
実はmonotronの他にも様々なシンセサイザー・ガジェットがあります。いくつか紹介しましょう。
KORG DS-10はニンテンドーDS上で動くコルグMS-10とも言えるプロダクツです。ケーブルによるパッチングなど、MS-10の特長と音を見事に再現しています。
私も監修に携わった学研のSX-150は、なんと大人の科学別冊「シンセサイザー・クロニクル」の付録。
monotronと同様、シンプルな構成ながらしっかりとシンセサイザーのロジックを抑えています。
そして、この「monotron++」!!
beatnic.jp(URL:http://beatnic.jp/)の武田元彦氏による改造版monotronです!
スペックとして、本家monotronにはなかった以下の機能が追加されています。
・MIDI入力!!
・VCA回路
・Glideつまみ
・VCO波形セレクタースイッチ(Square/Saw)
・Pulse Widthつまみ
・EG/LFOスイッチ
・Outputボリューム
コルグのサイトには、武田さん意外にも多くの方々がmonotronの改造版を披露しています。必見です!(URL:http://www.korg.co.jp/Product/Dance/monotron/welove/)
いかがでしたか?monotron。
こんなにリーズナブルでめちゃくちゃ楽しく遊べるシンセサイザーは他では見当たりません。ぜひmonotronの面白さを体験してみてください!
monotronめちゃくちゃ楽しんで遊んでいる私も、映像で御覧くださいませ~!
■オフィシャルレビューHD版について
ミュージックトラックのオフィシャルレビューHD版では、映像はハイビジョン映像を記録し、音声はマルチトラックでZOOM のR16を使用してデジタルレコーディングを行い、それぞれの素材をもとに映像編集しています。