Prominy V-METAL

ギター関連の音源が続いてしまいましたが、細かな説明は抜きにして、氏家さんの演奏するデモムービーをご覧下さい。

いかがでしょうか?

キーボード(鍵盤)から演奏しているとは思えないほど、リアルな音、奏法を再現しています。

では、このリアルなサンプル音源、V-METALを見てみましょう。


V-METALは、NativeInstruments社のKONTAKT(KONTAKT PLAYER)上で動作するサンプルプレイバック音源です。

KONTAKT(製品版)は有償ソフトですが、V-METALにはFREEのKONTAKT PLAYERが付属しているので、KONTAKTを別途入手することなく使用することが出来ます。

全てのインストールが完了すると、KONTAKT PLAYERの画面左側のライブラリーのセクションにV-METALが表示されます。
(上記サンプルのイメージでは、標準付属の「FACTORY SECTION(マルチ音源)」とその他のライブラリーが表示されています)

ライブラリーには、InstrumentsとMultiの音源が含まれています。

Instruments
このインストゥルメントは、マルチよりも少ないRAMで使用するV_METALのライト・バージョンです。マルチと異なり、各弦の全フレットのサンプルを含んではいませんが、ひとつのインストゥルメントにすべての奏法が含まれています。

Multi
このマルチインストゥルメントは、低音部の鍵盤に割り振られたキースイッチによって、V-METALのマルチサンプルの奏法を切り替えながら演奏することが出来るサウンドセットです。

Multiには、3つのマルチセットがあり、ノーマルのマルチセット、ダブルトラッキング(同一の演奏を2度レコーディングして左右にステレオで配置する方法)、メモリーの消費を抑えたライトバージョンの3つがあります。


V-METALは、これら二つのモードからなり、膨大な量のサンプリングをキーコントロール、MIDIコントロールチェンジなどで制御することができます。

V-METALで可能な奏法

V-METALでは、様々なギター奏法による膨大な高品位サンプルを収録しており、キーコントロールによって制御することが出来ます。

E0: power chord リアルタイム・レガート・スライド
D#0: sus4 Realtime リアルタイム・レガート・スライド
D0: add9 リアルタイム・レガート・スライド
C#0: picking tremolo
C0: octave リアルタイム・レガート・スライド
B-1: trill (whole step) 全音トリル
A#-1: trill (half step) 半音トリル
A-1: 6th-dyad chord リアルタイム・レガート・スライド
G#-1: #5th-dyad chord リアルタイム・レガート・スライド G-1: 5th-dyad chord リアルタイム・レガート・スライド
F#-1: flat 5th-dyad chord リアルタイム・レガート・スライド F-1: 4th-dyad chord リアルタイム・レガート・スライド
E-1: major- 3rd-dyad chord リアルタイム・レガート・スライド D#-1: minor 3rd-dyad chord リアルタイム・レガート・スライド D-1:singlenotenolegato レガート無し
C#-1: single note リアルタイム・ハンマリング&プリング
C-1: single note リアルタイム・レガート・スライド
B-2: unison bend ユニゾン・チョーキング
A#-2: double bend ダブル・チョーキング
A-2: other chords (‘Rush chords’)
G#-2: major 3rd vibrato
G-2: natural harmonics
F#-2: FX1 – scrape, slides, noises
F-2: FX2 – whammy bar
E-2: FX3 – whammy bar
D#-2: FX4 – whammy bar

キーコントロールによって、上記のさまざまな奏法をリアルに、簡単に制御してDAWで奏法を再現することが出来ます。

その他、コントロール、サウンドの詳細はPDFによるマニュアルが公開されているので、そちらを参照して頂ければ、より細かな奏法を確認することが出来ます。

V-METALのサウンドメイク

V-METALは、高品位なサンプル音をユーザー自身が自由に、まるで本物のギターの音をエフェクターを使って音を作るようなサウンドメイクをすることが出来ます。

まずは、V-METALを起動します。(KONTAKT PLAYERのライブラリーをロード)ここでは、Multiのノーマルマルチセットをロードします。

ロード後に演奏して最初に出てくる音は、ペキペキとしたノーマルのちょっと貧弱そうに聞こえる、まるで歪みのない音です。V-METALはこれが初期状態の音で、これをエフェクトで加工することによって、さまざまなカラーのサウンドに作り込むことが出来るようになってます。

よくありがちな、最初から歪ませたギターサンプルPCMの音源とは違い、全て自分の好みにエフェクターを駆使して音を作り込むことが出来るのが、V-METALのもう一つの特徴です。

※購入ユーザーさんからの問い合わせで、「V-METALを立ち上げて演奏したけど、デモ演奏のようなカッコイイ歪んだ音が出ない!」。こんな問い合わせを受けますが、これはV-METALの至って普通な初期のサウンドになります。

氏家さんのデモ演奏で使用しているギターサウンドは、Cubaseに標準で付属するアンプシミュレーター(Cubase7のvst amp rack)によってサウンドを作り込んでいます。

エフェクトでサウンドをいかようにも作り込めることからもわかる通り、ダークなメタル系のサウンドからPOPSで使用出来るようなライトな歪みによるの8部刻みのミュートバッキングサウンドなどもリアルに再現することが出来ます。

Cubaseに限らず、最近のDAWソフトには、ギター系のアンプシミュレータやDistortionなどの歪み系エフェクトが付属していると思うので、自分の好みで何を使用しても良いと思います。

CubaseのAmpSimulattor

V-METALはギターのサウンドを作り込める。これがV-METALのもう一つの特徴だと思います。NativeInstruments社のGuitarRigを使用するも良し、歪みだけではなく、モジュレーション系や空間系のエフェクトをかけてリッチなサウンドに仕上げるも良し、ユーザーが自分の作品や音楽性に合った音にて使用することが出来ると思います。

Cubaseのvst amp rack

とにかく、V-METALは細かなサウンドメイク、サウンド設定、コントロールが出来る、数少ないギターPCM音源のインストゥルメントだと思います。細かな奏法や設定は、個々では語りきれないほどなので、マニュアルを見て頂き、まずは一番伝えやすいそのリアルな「サウンド」、「ギター奏法」を発売元が提供する映像でいくつか紹介します。

メーカー提供のリアルなデモ演奏パターン映像とサウンドは、こちらから

V-METAL
Windows, Mac 両対応
VST, Audio Units, RTAS (Pro Tools 7), ASIO, Core Audio

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