Jam VOX
- 2009/03/31
皆様御機嫌麗しゅう。永野啓司でございます。今回はVOXから発売されたJamVOXについてのレビューをお届け致します。
JamVOXとは?
まず、JamVOXとは?というところなんですが、私はてっきりアンプモデリングソフトにスピーカーが付いただけかと思っておりましたら、これがちょっと違うんですね。
もちろんアンプモデリングソフトとしての機能も備えているのですが、ミュージックプレイヤーとしても使えますし、既成曲からギターパートをキャンセルしたカラオケを作成してセッション、なんていう事もできてしまうのです。もちろんオーディオインターフェイスとしての機能も備えています。
パッケージ紹介
- JamVOXモニター(ギターインプットの他にマイクインも搭載しているので、ギターを弾きながら歌う事も可能)
- USBケーブル
- インストールCD
- ギター用カラオケCD 2枚(既存曲のカラオケが計28曲入っています)
セッティング
セッティングは至って簡単。インストールCDをパソコンに入れたら後は指示に従うだけです。インストール完了後は、USBケーブルでJamVOXモニターを接続すれば自動的にソフトが起動します。
アンプシミュレーター&エフェクター
まず、画面上部から見て行きましょう。
VOXのロゴの横に今選ばれているプログラムが表示されます。右側にあるセレクトボタンをクリックする事で一つずつ切り替わりますが、プログラム名の部分を直接クリックすると登録されているプログラムが階層状に表示されます。
名前を見ただけで音がイメージ出来てしまうプログラムが多数用意されているので、一通り音を出してみるだけでも、かなり楽しめますね。
次に、エフェクターやアンプが並んでいるエリアを見てみましょう。
ここで使用するエフェクターやアンプを決定。エフェクターやアンプの名前をクリックすると他のモデルが表示されるので、画面上でドラッグ&ドロップすることで、簡単に色々な音色を試すことができます。
更に下のエリアには、アンプとエフェクターの詳細画面が表示されているので、こちらで微調整が可能です。
ちなみにアンプは19種類。キャビネットは12種類。エフェクターは54種類から選べます。
VOXの製品ですのでVOXアンプはもちろん実名で多数網羅しています。また、有名どころのアンプやエフェクターも一通り入っているので、かなり充実した音作りが可能です。もちろん、モデリングソフトならではの組み合わせ(VOXのアンプをマーシャルのキャビネットで鳴らすとか)も可能なので、独自の音作りも楽しめます。
では、実際の音色、音作りをムービーでご覧ください。
ミュージックプレイヤー
次に、画面の下半分、ミュージックプレイヤーの部分を見てみましょう。
この部分がこのJamVOXの最大の特徴ですが、既存曲を読み込んで鳴らせる上にピッチやテンポを変更して聴く事が出来るので、コピー作業や練習にとても便利。また後述しますが、GXTという機能によって既存曲のカラオケも作れてしまいます。
右上にある「Pitch」は上下2音半、「Tempo」は上下50%、リアルタイムで変更可能です。
例えば、半音落ちでレコーディングされている楽曲のコピー作業の場合、今まででしたらギターを半音下げにチューニングし直して・・・という作業が必要でしたが、この機能を使えば「Pitch」で曲の方のピッチを半音上げるだけです。素晴らしい!これは非常に重宝しますね。
「Tempo」の方は練習するのに最適です。ゆっくりのテンポから徐々にオリジナルのテンポに近づける事で、しっかりとフレーズを体に馴染ませる事が出来るでしょう。
GXT
それでは、JamVOX最大の特徴である「GXT」を使って既存曲のカラオケを作ってみましょう。
今回は、VOXと言えばブライアン・メイ、という事でQUEENの「ボヘミアンラプソディ」のギターソロ部分をGXTを使ってキャンセルし、本物のQUEENのバックでギターソロを弾いてしまおうという試みであります。
まず、曲をミュージックプレイヤーのリスト部分にドラッグして読み込みます。
次に、GXTボタンの下、「Edit」ボタンをクリックすると写真の様なエディット画面になります。左側には、GXTのプリセットが出てくるので、基本的には、消したいパートの定位に合せてここからプリセットを選んでいけば大丈夫でしょう。
「ボヘミアンラプソディ」のギターソロ、定位はセンターなので、プリセットの「Solo(Center-Narrow)」を選んで聴いてみます。リバーブ成分が全体に散らばっているので、完璧には消えませんが、あまりに広範囲にGXTを掛けてしまうと他の楽器も消えてしまうので、この位の設定で大丈夫ですね。自分のソロを被せたら全く分からない範疇ですね。
これでブライアンメイが弾いたギターソロをカットした(!)カラオケができたので、合せて自分のソロを弾いてみます。普通だと、ここからソロの音色作りで悩むところですが、JamVOXの場合、ネット経由で「JamVOX-Online」というサイトに登録されている膨大なプリセットをダウンロードできます。検索してみたところ、なんと「ボヘミアンラプソディー」の音色を発見!今回はこの音色を使ってみました。
この「JamVOX-Online」では、ユーザーが自分で作ったプリセットも登録できます。日々プリセットは増え続けている様ですから、これは重宝しますね。
更に、こうして作った自分の音、自分の演奏を録音することも可能です。あこがれのバンドとのセッションを残せるというのは、素晴らしいですね。
総括
今回、自分で使ってみて発見があったのですが、最近流行りのアンプモデリングソフトとは違い、スピーカーから音が出ますから、フィードバック奏法も出来るんですね。こればかりは生の音じゃないと不可能ですから、大きなメリットだと感じました。
あと、メトロノームが搭載されているのも良いですね。私の印象としては、
- 自分が弾きたい曲を取り込んで、テンポを落としてじっくりとコピーする。
- そして、まずはゆっくりのテンポからメトロノームを使って一つ一つのフレーズをきっちりと練習。
- ある程度体に染み込んだところで、曲に合わせて練習。
- 原曲と同じテンポで弾ける様になったらGXTを使ってカラオケを作成し、自分のプレイを録音。
という様な流れでの使い方が、理想的ですね。積極的に使いこなす事で、間違いなく練習の質が変わってくると思います。
ん~、このJamVOX...私が専門学校で教えていた頃に欲しかったですね...
皆様も練習のお供に是非一台いかがでしょう?ハマりますよ~。ぜひお試しを!!
本レビューでは、JASRAC管理曲を使用しています。
作品コード:0S0-7977-1
タイトル:SMOKE ON THE WATER
著作者:BLACKMORE RITCHIE
アーティスト:DEEP PURPLE
作品コード:0B0-9709-5
タイトル:BOHEMIAN RHAPSODY
著作者:MERCURY FREDERICK
アーティスト:QUEEN
作品コード:0A5-7732-8
タイトル:SMELLS LIKE TEEN SPIRIT
著作者:COBAIN KURT D
アーティスト:NIRVANA