YAMAHA MONTAGE ver3.5

ここに注目:

  • MONATAGEのシステムが3.5にバージョンアップ
  • MODXとサウンド互換でインポート可能に
  • まさにカオス!未知なサウンドを生み出すSmart Morph 機能

YAMAHAのフラグッシップ・シンセサイザーMONTAGEのシステムがver 3.5にバージョンアップされました。最近のシンセサイザーは、システムのバージョンアップが行われることで新たなプリセットや波形などが追加されるのはもちろん、今まで無かった新しい機能が追加されたりするので、そのたびに新鮮さを感じます。

Version 3.5

MONTAGE のバージョンが3.5になり、また新たな進化を遂げました。

• スマートモーフ機能を追加
• MODXファイルのインポートに対応
• パターンシーケンサーに機能を追加
• 新規パフォーマンスの追加し
• 操作性、演奏性の改善

ざっと上記の内容がパワーアップしましたが、最大のトピックスは新機能の「スマートモーフ(SmartMorf)」機能の追加でしょう。

もう一つは、MONTAGEのモビリティを重視したモデル、MODXシリーズのユーザーファイルとライブラリファイルがインポート出来るようになりました。これで、MODXで作ったサウンドや設定情報をMONTAGEで読み込んで、MODXと同じサウンドや状態で使用することが出来ます。

もちろん今回は、MODXのシステムも2.5にバージョンアップされ、MONTAGEと同様の機能も使用出来るようになりました。

スマートモーフ機能

名称に「モーフ」と付くので、これは「サウンドからサウンドに単純にモーフィングが出来るようになった。」と思ったら大間違いです。

MONTAGE(MODX)は、最大16のパートを使ってサウンドを作り上げることが出来ますが、スマートモーフはまず親となるパート1のFM-Xサウンドを選択し、その他、パート9~16にFM-X音源で作られた8つのサウンドを割り当てて、MONTAGEに分析(Analyze)させます。

もちろん、パート9~16、8つのパート全てにサウンドを指定する必要は無く、1つ以上のサウンドを割り当てれば音の変化幅は狭くなりますが、可能です。

今回新たに追加されたメニュー、パフォーマンスのSmatyMorphのエディット画面で、例としてサウンド1,サウンド9~12のプリセットを指定します。

指定した状態で画面右下にある「LEARN」を押すことで、MONTAGEはサウンドの解析と学習を始めます。解析と学習が終わると、指定した5つのサウンドが白い点となってそれぞれ配置され、キャプチャのような画面表示になります。

この画面は、サウンドの配置をカラーで表示し、FM-Xのパラメータの値の大小を色の濃淡で表現し、32x32=1,024のポジションでサウンドが配置されます。そのサウンドとサウンドの間の位置に値するサウンドは、MONTAGEが5つのサウンドを解析・学習したことで、それぞれのFM-Xのパラメーターを破綻することなく、新たなサウンドとして配置してくれています。

FMシンセをエディットしたことがある人はわかると思いますが、アルゴリズムやパラメータ数値の指定によっては、音がノイズのように破綻しかねないFM音源のパラメータを、破綻することなくアルゴリズムまで変化し、1,024ものサウンドとして配置するのは凄いことです。

もちろん、MONTAGEの特徴であるモーションシーケンスもスムーズに動作し、想像できないサウンドがたくさん配置されます。このMONTAGEの計算によって作られたサウンドを再度メモリーし直してそのまま使用してもエディットしても良いと思います。

MONTAGEの大型ディスプレイをタッチしてサウンドの変化やモーフィングをコントロール出来るのもよく考えられていると思います。

MODXとの互換

今回のバージョンアップはMONTAGEの下位モデル(機能互換なので決して下位ではない!)もバージョンが2.5にアップデートされ、このSmartMorphの機能追加だけではなく、MONTAGEとのサウンドや設定も互換性が上がってインポートも可能になりました。

このように、バージョンアップによって常に新しい機能やサウンドを提供してくれて常に進化し続けるMONTAGE、MODX、スゴイです。

デモ&レビュー映像

なかなかテキストでは伝えきれない今回のSmartMorph、是非映像でチェックして下さい!


販売情報

さらにおすすめ

ZOOM ZFX 応用編

この「応用編」では、オリジナルパッチの作成とエディット方法にスポットを当てて解説していきます。 まずパッチの作成からです。 それでは、少々凝ったセッティングのパッチを作ってみましょう。ZFX Plug-inには「Splitter」というツールが用意されていて、ギターの出力を2系統...

Modal Electronics ARGON 8

Modal Electronics から最新のウェーブテーブル・シンセシス・エンジンを搭載したシンセサイザー ARGON 8 が発売されました。ARGON 8 は、37鍵、8ボイスのコンパクトなウェーブテーブル・シンセサイザーで、ラック版の ARGON 8M と 61鍵モデルの ...

Behringer DeepMind12

コストパフォーマンスが高いさまざまな音響製品を世に送り出してきたbehringerから、初のシンセサイザー、それもいきなり本格的な12ボイス、リアルなアナログのポリフォニック・シンセサイザーが登場しました! アナログ方式のシンセサイザーが密かにブームな現在、12音ポリフォニックで...

Waldorf Microwave XTk

Waldorfと言えば、近年ではblofeldとともに見事に復活したドイツのシンセサイザーメーカーです。Waldorfの歴史は、第2回のオフィシャルレビューで紹介したので、今回はこちらのMicroWaveXTkの紹介を中心に、レビューします。 MicroWaveXTシリーズは、...

KORG i3 MUSIC WORKSTATION

KORGからミュージック・ワークステーション i3 が発売されました。i3 は、スタイルというバッキングやプリセットされている音楽スタイルに最適なコード進行もボタンにアサインされているので、好みのスタイルを選択してすぐに作曲や楽曲の制作を行う事が出来ます。

MODARTT PIANOTEQ

メイン画面は見ての通りとてもシンプル。 1. プリセットされた様々なピアノを選択できます。2. 選択されたピアノの構造を、ボタンを押すたびにランダムに変化させることができます。3. ピアノに張ってある弦のチューニングに関するセクションです。4. 弦をたたく部分であるハンマーの固...

もっと記事を見る

page top