microKORG XL


見てください、この外観。

すでにミニ鍵盤アナログモデリングシンセとして不動の地位を築いた元祖「microKORG」は、多くのパラメーターをパネル上に表わし、飛行機のコクピットのような操作子の多いビンテージ感でしたが、この「microKORG XL」は、とてもすっきりしたパネル、レバーなど、レトロ感のあるシンプルなビンテージ感を醸し出しています。私の第一印象は、箱形の鍵盤も相まって「おっ、懐かしい!」というようなローズ、ウーリッツアー、クラビ、ハモンドオルガン等のビンテージ・キーボード的イメージでした。

この箱型鍵盤ですが、レスポンスもよくて素晴らしく弾き易く、まさに極上です。ミニサイズでの箱型鍵盤はこの「microKORG XL」が初めてではないでしょうか? 標準サイズの鍵盤に慣れている私でもすぐに弾きこなせるほど、指にフィットします。鍵盤演奏の楽しさ、醍醐味を満喫できますよ!


さて、パネルを見てみると大きな2つのダイアルが目を引きます。

見てのとおり、この2つのダイアルで音色セレクトをするのですが、左で8つの音楽ジャンル、右で8つの音色カテゴリー、左のレバーでA/B 2種類の音色バリエーションをセレクトできます。(8ジャンル×8カテゴリー×A/Bで128音色搭載)

このジャンルとカテゴリーによる音色が、まさに的を射ていて、表示される音色を見て弾いて「これこれ!そうそう!なるほど!」の連発でした。その音は、まさにアナログシンセサウンドの王道です。128種類すべての音色がオススメ音色です。

また、冒頭でも述べたローズ、ウーリッツアー、クラビ、ハモンドオルガン等のビンテージキーボードサウンドも素晴らしいクオリティでしっかり網羅されていたのも嬉しいですね。

さらに凄いのがボコーダーサウンド。付属のマイクで往年のボコーダーサウンドが当時のサウンドクオリティのまま、思う存分楽しめます。

ホント、すべてのサウンドが太く暖かくソリッドで、とてもいい音です。さすがコルグがRADIASやR3で培ってきたアナログモデリングのMMT音源! 「microKORG XL」でも、しっかり生かされています。

画期的な音色エディット

アナログシンセサウンドですから、音色の変化を楽しく体感できなければ意味がありません。その点、パネルの右側にある音色エディットのエリアは初心者にもやさしく扱えるでしょう。


まずは左のノブと3つ並んだノブがマトリックスになっていて、左のノブで選択された位置で3つの並んだノブの働きが決まります。

例えばFILTERが選択されていると、3つのノブは、TYPE、CUTOFF、RESONANCEの機能となります。ちなみに、FULL EDITにするとすべてのパラメーターにまでアクセスできてしまいます。尚、左のノブの横のLEDはもともとの音色で設定されていたノブの位置で点灯します。

もちろん、もっと音色を作り込みたい上級者には、コルグのWEBサイトでmicroKORG XLのエディターソフトが用意されています。

このように、「microKORG XL」は初心者から上級者までアナログシンセサウンドの醍醐味を満喫できる秀逸なシンセサイザーです。外部入力機能、電池で駆動できる点も素晴らしい! 何といっても、このコストパフオーマンスが嬉しすぎです。

ムービーではmicroKORG XLの代表的音色をガンガンにデモしています。ぜひご覧ください!

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