SEQUENTIAL PRO3 / PRO3 SE
- 2020/09/15
- English version is available!
ここに注目:
- PRO-Oneの現代版!?ハイスペックなモノフォニック・シンセサイザーPRO 3/PRO 3 登場!
- パラフォニックが可能な3つのオシレーター
- キャラクターの違う3つのビンテージフィルター搭載
ハイスペックなアナログ・モノフォニック・シンセサイザー
SEQUENTIAL から 新しいモノフォニックのシンセサイザー、PRO 3/PRO 3 SE が発売されました。PRO と聞いて Prophet を知っている方なら誰でも80年代に発売されていた SCI PRO-One を思い出すと思いますが、そのPRO の名前を使ったアナログのモノフォニック・シンセサイザーの最新機種 PRO 3 が発売されました。
mini moog のように、フロントパネルのチルトアップ、筐体にはウォルナット製のウッドパネルを使用した PRO 3 SE (スペシャル・エディション)と、チルトアップ無しで、筐体が樹脂製の PRO 3 の2種類があり、どちらのモデルも同じスペックで、予算や、デザインの好みで選べるモデルの構成になっています。
フロントパネル
フロントパネルは、左から右に信号が流れるわかりやすいレイアウトで、mini moog に近いレイアウトで、直感的に信号のの流れを把握、操作が出来るレイアウトになっていると思います。ツマミは Prophet シリーズとは異なる、グレーを基調にしたとても見やすいツマミだと思います。フィルターが中心部に一回り大きなツマミで設置されているのも、最近のアクティブなパフォーマンス操作用の流れを考えての事だと思います。
アナログとデジタルのハイブリッドなオシレーター
オシレーターは、2基のアナログ・オシレーターと、1基のウェーブテーブル・オシレーター、合計3つのオシレーターが搭載されています。アナログとデジタルの波形を組み合わせることが出来るハイブリッドな構成になっています。
アナログ・オシレーターは、OCTAVEでピッチを決定し、PITCHで細かなピッチを設定します。波形は、SHAPEによって三角波~ノコギリ波~パルス波をシームレスに可変設定することが出来る方式になっていて、SHAPE MODで変調することが可能になっています。
ウェーブテーブルは、16種類の波形それぞれに、32種類のウェーブテーブルを搭載し、もちろん、モーフィング出来るようになっていて、もちろん、アナログの波形もサイン波、三角波、ノコギリ波、可変パルス波、Supersawが指定できるようになっています。
2基のアナログ・オシレーターの太くてウォームな波形サウンドに、デジタルのソリッドな波形を組み合わせることで、様々な質感の波形が生み出せます。オシレーターのハードシンクはもちろん、、オシレーター3をLOW FREQでLFOとして使用することまで出来ます。
パラフォニックモード
PRO 3 は、3オシレーターのモノフォニック・シンセサイザーですが、パラフォニックモードも備えています。パラフォニックは、ポリフォニックとは違いますが、3つのオシレーターそれぞれ個別にゲートされるので、和音として音を鳴らすことが出来ます。
MIXER
それぞれのオシレーターは、MIXERセクションのLEVELでミックスします。ノイズはホワイトノイズ・ジェネレーターで、外部オーディオ信号の入力レベルもここでミックスします。
3つのクラシック・フィルター
PRO 3/PRO 3 SE のフィルターはもちろん、アナログフィルターが搭載されています。過去の名機達が搭載していたクラシックなスタイルのフィルターが3基搭載されています。
フィルターは音のキャラクターを決める重要な部分で、このフィルターのキャラクターでサウンドが決まると言ってもいい位、重要なセクションです。PRO 3では、往年のクラシック、ビンテージのシンセサイザーのフロントパネル中央に一つ、大きな存在感あるツマミがいいですね!
FILTER-1
4ポール、24 dB /Oct、 Prophet-6で搭載された ローパス・フィルター
FILTER-2
4ポール 24 dB / Oct、Moog タイプのトランジスタ・ラダー・フィルター
FILTER-3
2ポール、12 db / Oct 、OB-6に搭載された Oberheim タイプのステイト・バリアブル・フィルターで、ローパス~ノッチ~ハイパスのフィルターが連続可変可能なフィルターで、バンドパスモードでも使用可能なフィルター
DRIVE
フィルター部分で、さらに音を太くしたり、歪みをかけて音を荒らすDRIVEが搭載されています。
エンベロープとTUNED FEEDBACK
エンベロープ
PRO 3 のエンベロープはADSR方式で4基のエンベロープを搭載しています。レイアウトを見てもわかるとおり、FILTER と AMP のエンベロープは独立しているので、切り替えることなく、スムーズにエンベロープを操作することが出来るようになっています。
変調で使われるAUX のエンベロープも2基搭載されているので、スイッチで1/2を切り替えて、ピッチやウェーブテーブルのモーフィングなどに素早く対応することが出来ます。
操作性、レイアウトはとてもシンプルで、改めて素晴らしいマシンです。
TUNED FEEDBACK
なかなか聞き慣れないパラメータで、効果も独特な音の変化をします。AMOUNTの +/- で音が変化しますが、イメージとしては、元音に DELAY サウンドを付加してフィードバックさせる方式で、もっと簡単に言うとエフェクトの FLANGER をかけて、フィードバックサウンドを付加したような効果がでます。
LFOとコントローラー
LFOは3基搭載されていて、これもとてもわかりやすくなっています。
1,2,3のボタンで、3つのLFOが切り替えられ、FREQUENCY と AMOUNT で、かかり具合を設定します。波形は、SHAPE で5種類の中から選択することが出来ます。LFO のセクションには DESTINATION のボタンがあるので、このボタンを押すことでモジュレーション・マトリクスのソースをディスプレイで選択して、すぐに LFO をコントロールすることが出来ます。これは、とてもわかりやすいです。
操作系として、グライド、HOLDはもちろん、ベロシティーとアフタータッチを備えた FATAR 製の3オクターブ・キーボードの横にピッチとモジュレーションのホイール、タッチスライダー、TRANSPOSE などのコントローラーが装備されています。ヘッドフォンの端子がフロントのホイールの下にあるのは、とても便利です。
16トラック・シーケンサーとアルペジエーター
アナログ・シンセサイザーで、PRO 3 以上のシーケンサーとアルペジエーターの機能と操作性を搭載しているモデルは思い付かない程のレベルです。
16トラック・シーケンサー
ステップ入力、リアルタイム入力可能な、A,B,C,D4つのリンク可能な 16トラック、16ステップのシーケンサーで、ステップ毎にラチェット、デュレーション、ベロシティを設定する事が出来、シーケンスのプレイモードも豊富に揃っています。もちろん、MIDIクロックやCV入力に同期することが出来ます。
アルペジエーター
アップ、ダウン、アップ+ダウン、ランダム、アサイン・モードがあり、16ステップ・シーケンサーと同時に使用することも出来るので、複雑な演奏パターンで音を鳴らすことが出来ます。16のLEDボタンがスタートでリレー点灯するので、操作的にもビジュアル的にもよく出来ています。
他にも様々な機能を搭載
ここまで PRO 3/PRO 3SE の基本的なスペックを紹介してきましたが、パネルで見ることが出来る60個以上のノブと70個のボタン以外に、ディスプレイ上で設定するエディット・パラメーターも備えています。
また、ディスプレイ、ディスプレイの周りにあるツマミやボタンには、表示されたエディット情報をコントロールするツマミや、1,024 ものプリセット・プログラムを管理するボタン、セットリスト、プレイモードなど様々な機能が用意されています。
他にも書ききれない機能がたくさんありますが、デモ&レビュー映像でその音を聴いてもらえれば、どれだけスゴイ、アナログ・シンセサイザーなのか、すぐにわかると思います。
デモ&レビュー映像
注)ビデオの画面でシーケンサーのLEDが点滅、リレーしているように見えますが、これは撮影時のフリッカーの影響によるもので、実際には全体的な点滅、リレーはしていません。お見苦しい点、お詫び申し上げます。