Roland Sonic Cell

まずはSonicCellのおさらい。

この図を見てお分かりの通り、SonicCellは一言で語ると「オーディオ/MIDIインターフェイス内蔵サウンドモジュール」。

また、Cakewark SONAR LEも同梱されているので、まさにPCとSonicCell、MIDIキーボードがあれば、あなたのDTMライフは完結というスゴいツールです。今回、あらためてこのSonicCellを試奏してみましたが、高品位なピアノ音色をはじめ、ローランド独特の抜けがいいのに温かみにのある質感は健在でした。生楽器のリアルさとシンセ系音色のトンガリ方も絶妙なバランスです。で、今回はSonicCellが大幅にバージョンアップしたようなので、そのトピックスを紹介しましょう。

トピックスその1は「新SonicCell エディター」。

このSonicCellエディター、特にパフォーマンスモードでは16パートのミキサー画面で、とても使いやすいですね。

ところが、1000音色を超えるSonicCellの膨大な音色から目的の音色を探すのに一苦労だったのですが、今回SonicCellエディターがバージョンアップ(ローランドのWEBサイトからダウンロード可能)され、カテゴリーごとのリストが別ウインドウで開き、物凄く使いやすくなりました。

この画面では「EP(エレクトリック・ピアノ)」の音色群が表示されています。さらに音色の下にはパートの選択ボタンがあります。このウインドウは独立して開くので常に表示させて各パートの音色を表示/選択できるのでDAW上でもとても便利に使えます。

音色名をダブルクリックまたは下部にある「PREVIEW」で音色に最適化されたフレーズを鳴らしてくれるのもいいですね。MIDIキーボードを接続していない時に音色を選ぶ際、とても便利です。

DAW上でももちるんSonicCellエディターは超便利。SONARではこんな感じです。

CubaseでももちろんOKです。Cubaseのプロジェクトファイル上で一括管理が可能です。

そして2つ目のトピックスはこれ!!SonicCellシンセサイザーエディターです。(注:この画面は開発中の画面です。ローランドのWEBサイトにてダウンロード可能)

これにはビックリしました。なんとSonicCellがアナログシンセサイザーになる?!!

いったいどういうことだ?と私も不思議に思ったのですが、このSonicCellシンセサイザーエディターは、ローランドが「もっとユーザーの方々にシンセサイザーとしてのSonicCellを気軽にエディットして音作りの面白さを体験して欲しい」というコンセプトの元、開発されたそうです。

ということで、このエディターを使用するとSonicCellが回路的にアナログシンセサイザーになるのではなく、 アナログシンセサイザーのインターフェイスを使ってSonicCellの音作りができるエディターなのです。

でもこの見た目、まさしく4台分のSH-1ですよ。

SH-1とはローランドの代表的ビンテージの代名詞みたいなアナログシンセです。

ねっ、つまみとかスライダーが同じでしょ。

では一台分を拡大して見てみましょう。


左から2つのLFO、OSC(オシレーター)、FILTER(フィルター)、AMP(アンプ)で構成されています。ポイントはOSC、FILTER、AMPのすべてにADSRのエンベロープジェネレーターが装備されている点ですね。

また、フィルターの効きも素晴らしくレゾナンスをフルにすると強烈です。オシレーターを見ると、ノコギリ波、矩形波、三角波、サイン波、ローランドお馴染みのスーパーソウ、ノイズの波形選択がありますが、先に説明した通り、これらの波形はSonicCellがPCM音源として搭載しているアナログ波形です。でも波形の質が良いのでこのインターフェイス上でエディットしているとアナログシンセとしてなじんでしまうので全く違和感がありません。4レイヤーのアナログパッド・サウンドなんて、あなた、、、夢心地極上サウンドです。

ここで、チップス。このSonicCellシンセサイザーエディター上からSonicCellのすべての音色にアクセスできるのですが、もちろんピアノを選べばピアノ音色が鳴ります。そこで、オシレーター上で波形を例えばノコギリ波に変えると、ピアノの弾き心地はそのままでノコギリ波のピアノになります。サックスを呼び出して波形を矩形波に変えると妙なアコースティック感のあるアナログリード音色になります。ホントこれは面白いです。ぜひお試しあれ。

今回のSonicCellのバージョンアップは、SonicCellエディターの強化とSonicCellシンセサイザーエディターの追加でしたが、こういうかゆい所に手が届く改良や視点を変えた見せ方の提案はグッドアイディアですね。

ますます今後のSonicCellの進化が楽しみになってきました。DTMビギナーの皆様も今後の「SonicCell」要チェックです!

さらにおすすめ

Steinberg CC121

こういうコントローラーを待っていました!やるぜCC121! 「CC121」は、スタインバーグとヤマハの共同開発によるCubase専用コントローラー。ソフトウエアの雄“スタインバーグ”の抜群のアイディアと、ハードウエア製造の雄“ヤマハ”がコラボすると、このような素晴らしいプロダクツ...

Steinberg Cubase Essential 5

Cubaseのラインナップとして、最高峰の「Cubase 5」、ホームスタジオ向けにカスタマイズされた「Cubase Studio 5」がありますが、今回登場したのはエントリー/ビギナー向けに機能を絞り込んだ「Cubase Essential 5」です。 何たってエントリー向けな...

ZOOM ZFX 導入編

皆様はじめまして。永野啓司と申します。これから4回にわたってZOOMから発売されたZFX Packageについてのレビューをお届け致します。なるべく簡潔で分かりやすい文章を目指しますので、最後までお付き合い宜しくお願い致します。 What’s 「ZFX Package」? まず、...

SEQUENTIAL PROPHET X

PROPHETと名の付くシンセサイザーと言えば、アナログシンセサイザーサウンド(デジタルオシレーター含む)が特徴で、ビンテージの時代から現在の PROPHET シリーズまで、シンセサイザー好きであれば、誰もが注目するシンセサイザーのブランドです。

Arturia minimoog V2.0

アートリアのminimoog Vがバージョン2.0になって登場!シンセ好きは絶対避けて通れないビンテージ・アナログシンセの銘機中の銘機minimoogを完全ソフトウエア化し、あのモーグ博士も認めたその実力はどう進化したのか!? まずは実機を見てみましょう。 これは、アートリアが...

KORG OASYS

KORGが誇る国産最高峰のワークステーション・シンセサイザーOASYS。オープン・アーキテクチャー・シンセシス・スタジオの頭文字から取ったその名の通り、様々な音源方式やサウンドが進化し続けるシンセサイザーです。 まずは、OASYSが搭載する音源方式の説明から。音源方式は、出荷時...

もっと記事を見る

page top