ClaviaNordシリーズとDiscoveryPro
- 2010/09/01
今回紹介するプロダクツはあの赤いヤツ、皆さんご存知、シンセサイザー界に旋風を巻き起こしたClavia (クラビア)DMI社のnord lead(ノードリード)シリーズと、そのクローンソフトシンセサイザーDiscoDSP社のDiscoveryProです。
なんたってステージでは見た目が大事!
目立つよこれは!今までブラックやシルバーなど無難な色調のキーボードが多かった中で、当時突然登場した赤いボディは一瞬にしてキーボーディストを虜にしました。もちろんサウンドも超ゴキゲン。
さらに追い打ちをかけるように素晴らしかったのがメッチャ軽い!!実はこれ、ものすごく重要なのです。他のキーボードが、10キロ20キロが当たり前の中で、nord leadの5キロは驚異的な軽さでした。
で、今回紹介するのはnord leadのシンセサイザーシリーズの中でも全ツマミにLEDがついてさらに視認性が素晴らしい「nord rack 3」、現行での最先端とも言える「nord wave」、そしてソフトシンセとしてnordが再現された「Discovery PRO」です。
今回のレビューに使用したのnordシリーズとそのクローンソフトシンセサイザー。
nordヒストリー
1983年スウェーデン・ストックホルムでClavia DMI社は、誕生しました。初代nord leadが1995年に発表され、世界中のキーボーディストにセンセーショナルに迎え入れられました。1996年にはnord modularがリリースされます。パソコンの画面上で各モジュールをケーブルで結線して音色を作りハード音源で演奏するという、当時では画期的なシンセサイザーでした。
(写真はnord modular G2)
その後、nord lead 2、nord lead 3へと着実に進化し、2001年には、オルガンやピアノ系音色を盛り込んでピアノ鍵盤を搭載しつつ軽量を実現したnord electroが登場し、バンドのキーボーディストがこぞって使いだしました。
(写真はnord electro 3)
さらに2005年には、オルガン、ピアノ系にシンセサイザー機能を盛り込んだ、Clavia社の集大成とも言えるnord stageが登場しました。
(写真はnord stage EX)
オルガンをとことん追求した本格的2弾鍵盤のnord C1もラインナップされています。
(写真はnord C1)
そして最新モデルが、今回のレビューでも使用したPCM波形も扱えるようになったのnord lead直系のnord waveとなります。
パネルはまさにアナログシンセの王道レイアウト
さてパネルを見ていきましょう。nord leadシリーズはパネルデザインはどのモデルもほとんど同様の構成なのです。
LFOセクション
左サイドには、LFOなどの変調セクションがあります。
LFOは2基、モジュレーション・エンベロープでより過激な変調も可能だ。変調の波形や変調先の設定も自在だ。
オシレーターセクション
中央には2基のオシレーターが搭載されている。ノコギリ波や矩形波などのアナログ波形はもちろん、nord waveやDiscovery PROでは、Wavetable波形、PCM波形も選択可能で実に多彩な音作りが可能だ。
フィルター・アンプ・エンベロープセクション
左にはフィルターやエンベロープ・ジェネレーターがある。nord rack 3のツマミには周りにLEDが埋め込まれており、常時ツマミの位置を表示しているため大変使い易い。
マスターセクション
上部にはマスターセクションがあり、アルペジエイターやグライド(ポルタメント)、ユニゾンなどのコントロールが可能だ。
プログラム・マネージメントセクション
その横は、プログラム・マネージメントのセクションだ。
このようにノブの構成的には、アナログシンセサイザーとして実に分りやすくレイアウトされている。
DiscoDSP DiscoveryPro
DiscoveryProは、NordLeadシリーズをエミュレートしたソフトウェアシンセサイザー。
パネルのレイアウトを見てもわかる通り、色は違えどその操作性はハードウェアと同様の操作で、違和感なくいじり倒すことが出来るシンセサイザーだ。
音も2Xオーバーサンプリングの高音質設計で、NordWAVE同様にWaveTableを搭載しているため、幅広い音作りに対応できる。また、NordLead2/2Xのパッチをインポート出来るので、ハードを持っていても手軽にソフトウェアのDiscoveryProに移植できるところがこのソフトのスゴイところ。
フィルターの効きが良く、ソフトシンセの中でも群を抜くフィルターの再現性と出来映えだ。
ハード型のNordをセッティングできないときには、このDiscoveryProは大いに活躍すること間違いなし!
画像でソフトシンセのDiscovery PROとのnord lead 2を見ても全く同じパネルレイアウトなのが分かる。
DiscoveryProのパネル
nordlead2のパネル
このように一度このレイアウトでの音作り、エディットを体験すれば、どのnord leadシリーズでも全く違和感なく操作ができるであろう。もちろんこの構造自体アナログシンセの基本とも言えるモノなので、他のシンセサイザーでも広く応用できる。
nord、いいシンセです!!
弾いてみて感じたのは、デザインのいいシンセサイザーによって、イマジネーションも膨らむということ。当然搭載されているプリセット音色も相まっての相乗効果ではあるが、どんどんツマミを触りたくなる衝動にかられ、いつのまにか新しい音色がクリエイトされていく...これはいい!!
すでに私もnordとDiscoveryProの虜になってしまいました~!!
そんな、私が気持ちよくnordleadシリーズとDiscoveryProを弾きまくる映像をバッチリ見てくだされ。必見ですぞ~!
■オフィシャルレビューHD版について
ミュージックトラックのオフィシャルレビューHD版では、映像はPanasonicのLumixのGH1を使用し てハイビジョン映像を記録し、音声はマルチトラックでZOOM のR16を使用してデジタルレコーディングを行い、それぞれの素材をもとに映像編集しています。