ClaviaNordシリーズとDiscoveryPro

今回紹介するプロダクツはあの赤いヤツ、皆さんご存知、シンセサイザー界に旋風を巻き起こしたClavia (クラビア)DMI社のnord lead(ノードリード)シリーズと、そのクローンソフトシンセサイザーDiscoDSP社のDiscoveryProです。

なんたってステージでは見た目が大事!

目立つよこれは!今までブラックやシルバーなど無難な色調のキーボードが多かった中で、当時突然登場した赤いボディは一瞬にしてキーボーディストを虜にしました。もちろんサウンドも超ゴキゲン。

さらに追い打ちをかけるように素晴らしかったのがメッチャ軽い!!実はこれ、ものすごく重要なのです。他のキーボードが、10キロ20キロが当たり前の中で、nord leadの5キロは驚異的な軽さでした。

で、今回紹介するのはnord leadのシンセサイザーシリーズの中でも全ツマミにLEDがついてさらに視認性が素晴らしい「nord rack 3」、現行での最先端とも言える「nord wave」、そしてソフトシンセとしてnordが再現された「Discovery PRO」です。

今回のレビューに使用したのnordシリーズとそのクローンソフトシンセサイザー。

nord rack 3
nord wave
Dicovery Pro

nordヒストリー

1983年スウェーデン・ストックホルムでClavia DMI社は、誕生しました。初代nord leadが1995年に発表され、世界中のキーボーディストにセンセーショナルに迎え入れられました。1996年にはnord modularがリリースされます。パソコンの画面上で各モジュールをケーブルで結線して音色を作りハード音源で演奏するという、当時では画期的なシンセサイザーでした。


(写真はnord modular G2)

その後、nord lead 2、nord lead 3へと着実に進化し、2001年には、オルガンやピアノ系音色を盛り込んでピアノ鍵盤を搭載しつつ軽量を実現したnord electroが登場し、バンドのキーボーディストがこぞって使いだしました。


(写真はnord electro 3)

さらに2005年には、オルガン、ピアノ系にシンセサイザー機能を盛り込んだ、Clavia社の集大成とも言えるnord stageが登場しました。


(写真はnord stage EX)

オルガンをとことん追求した本格的2弾鍵盤のnord C1もラインナップされています。


(写真はnord C1)

そして最新モデルが、今回のレビューでも使用したPCM波形も扱えるようになったのnord lead直系のnord waveとなります。

パネルはまさにアナログシンセの王道レイアウト

さてパネルを見ていきましょう。nord leadシリーズはパネルデザインはどのモデルもほとんど同様の構成なのです。

LFOセクション
左サイドには、LFOなどの変調セクションがあります。


LFOは2基、モジュレーション・エンベロープでより過激な変調も可能だ。変調の波形や変調先の設定も自在だ。

オシレーターセクション

中央には2基のオシレーターが搭載されている。ノコギリ波や矩形波などのアナログ波形はもちろん、nord waveやDiscovery PROでは、Wavetable波形、PCM波形も選択可能で実に多彩な音作りが可能だ。

フィルター・アンプ・エンベロープセクション

左にはフィルターやエンベロープ・ジェネレーターがある。nord rack 3のツマミには周りにLEDが埋め込まれており、常時ツマミの位置を表示しているため大変使い易い。

マスターセクション

上部にはマスターセクションがあり、アルペジエイターやグライド(ポルタメント)、ユニゾンなどのコントロールが可能だ。



プログラム・マネージメントセクション
その横は、プログラム・マネージメントのセクションだ。


このようにノブの構成的には、アナログシンセサイザーとして実に分りやすくレイアウトされている。


DiscoDSP DiscoveryPro

DiscoveryProは、NordLeadシリーズをエミュレートしたソフトウェアシンセサイザー。
パネルのレイアウトを見てもわかる通り、色は違えどその操作性はハードウェアと同様の操作で、違和感なくいじり倒すことが出来るシンセサイザーだ。

音も2Xオーバーサンプリングの高音質設計で、NordWAVE同様にWaveTableを搭載しているため、幅広い音作りに対応できる。また、NordLead2/2Xのパッチをインポート出来るので、ハードを持っていても手軽にソフトウェアのDiscoveryProに移植できるところがこのソフトのスゴイところ。

フィルターの効きが良く、ソフトシンセの中でも群を抜くフィルターの再現性と出来映えだ。
ハード型のNordをセッティングできないときには、このDiscoveryProは大いに活躍すること間違いなし!

画像でソフトシンセのDiscovery PROとのnord lead 2を見ても全く同じパネルレイアウトなのが分かる。

DiscoveryProのパネル


nordlead2のパネル

このように一度このレイアウトでの音作り、エディットを体験すれば、どのnord leadシリーズでも全く違和感なく操作ができるであろう。もちろんこの構造自体アナログシンセの基本とも言えるモノなので、他のシンセサイザーでも広く応用できる。

nord、いいシンセです!!

弾いてみて感じたのは、デザインのいいシンセサイザーによって、イマジネーションも膨らむということ。当然搭載されているプリセット音色も相まっての相乗効果ではあるが、どんどんツマミを触りたくなる衝動にかられ、いつのまにか新しい音色がクリエイトされていく...これはいい!!
すでに私もnordとDiscoveryProの虜になってしまいました~!!

そんな、私が気持ちよくnordleadシリーズとDiscoveryProを弾きまくる映像をバッチリ見てくだされ。必見ですぞ~!


■オフィシャルレビューHD版について

ミュージックトラックのオフィシャルレビューHD版では、映像はPanasonicのLumixのGH1を使用し てハイビジョン映像を記録し、音声はマルチトラックでZOOM のR16を使用してデジタルレコーディングを行い、それぞれの素材をもとに映像編集しています。

さらにおすすめ

KORG prologue

最近、アナログ機器を積極的に開発、発売をしているKORGから、モノフォニックのmonologue、4ボイスのminilogueに次ぐハイエンドのアナログ・シンセサイザー、prologueが発売されました。 prologueには、8ボイス/49鍵のprologue-8と16ボイス/...

KORG OASYS

KORGが誇る国産最高峰のワークステーション・シンセサイザーOASYS。オープン・アーキテクチャー・シンセシス・スタジオの頭文字から取ったその名の通り、様々な音源方式やサウンドが進化し続けるシンセサイザーです。 まずは、OASYSが搭載する音源方式の説明から。音源方式は、出荷時...

MT-1 EX

まさにシンプル。アナログシンセの仕組みがカンタンに理解できるインターフェイス。 以前、紹介したミュージックトラックが作ったソフトシンセ「MT-1」は、DTMビギナーにも大好評で、「なんと分かり易い」、「アナログシンセの仕組みがよくわかった」などの嬉しいご意見をたくさんいただきま...

moog minimoog

今回紹介するプロダクツは、アナログ・シンセサイザーの超定番”minimoog”です。私が初めて買ったシンセサイザーということもあり、思い入れのメッチャ強いプロダクツでございます。 minimoogはモーグ社が1971年に発売したアナログ回路による単音シンセサイザー。 minim...

Arturia Origin #2

ARTURIA(アートリア)のOrigin(オリジン)がやっと日本市場にお目見えです。 以前のオフィシャルレビューでは、当時開発中のOriginを紹介しましたが、今回は製品として出荷されたOriginの登場です。 私自身も開発元のARTURIAとは当初より深い親交があり、長くO...

KORG M50

「M50」は、コルグの新参シンセサイザー。 61鍵、73鍵、88ピアノ鍵盤の3種類ありますが、今回レポートするのは61鍵のモデルです。素晴らしい音色群、大画面タッチビュー液晶(レスポンス良くて最高!)、リアルタイムコントロールノブ、シーケンサーなど、ワークステーション型シンセサイ...

もっと記事を見る

page top