Access Virus TI2 Polar

musictrackでは、過去にもAccessのVirusシリーズをレビューしていますが、今回もVirusのレビューをお届けします。今回は、OSがVer4.0にバージョンアップし、前回のVer3.0シリーズとともにさまざまな機能追加がされています。

Virus TI2 Polar

こういうところが、同じ機種であっても絶えず進化を続けるAccessVirusシリーズの魅力ですね。

TI、TI Polar、TI Snow、TI2シリーズのどのシリーズを選択してもOSのバージョンアップとともに新しい機能が使えるという、今の時代に相応しいテクノロジー進化型のシンセサイザーです。

Virus TI Snow

OS.Ver3に追加されたAtomizerとは?

さて、前回のOSVer3.0では、Atomizer(アトマイザー=分割する)というオーディオのコントロール機能が追加されたことが大きなトピックスでした。では、Ver3で追加されたAtomizerの機能を簡単に紹介します。

このAtomizer、シンセサイザーが搭載する機能としてはとても珍しいとともに、ハッキリ言ってライブパフォーマンスで使えます!

さて、どんな機能かというと、Virusシリーズにはオーディオ信号の入力が備わってます。
これは、VirusシリーズがPCとUSB接続が出来ると言うことから、オーディオインターフェースにもなるという仕様です。このオーディオ入力信号に、リズム系の音素材やDJリミックスでよく使う曲の素材を入力するのです。ここまでは、普通のシンセサイザーの入力端子と同じ動きをするのですが、この入力された音素材をリアルタイムでMIDIノートに配置されたキーで操作できる!

詳しくは、デモ映像で説明していますが、入力端子から普通に曲を入力して流せば、Virus経由で音が出力されます。ところが、Virusにはこれをコントロールするタイミング(1/4,1/8などの分解能)が鍵盤上にあらかじめ配置されていて、曲または入力素材をリアルタイムで解析して分解して再生(出力)することが出来ます。


DJミックスなどでよく使われるブレイクとか、サンプリングの譜割に合ったLOOP、LOOPによる連打のような効果を出すことが出来るんです。

鍵盤を備えたTI,TI Polarならもちろん鍵盤とピッチ、モジュレーションのホイールコントローラーですぐにDJばりに曲のぶった切りLOOP再生プレイやフィルターを使ったClubDJMIXのようなパフォーマンスをすることが出来ます。

Ti Snowは、ポータブルのテーブルトップ音源モジュールで、鍵盤を装備していないことから、本体の各ボタンや外部MIDIキーボードやコントローラーで制御することになります。


テーブルトップタイプのSnowは筐体が小さいことからも、DJやパフォーマーがターンテーブルやキーボードの横などにセッティングして、コントローラーで操作する場合などには場所も取らずに、とってもフィットする大きさだと直感的に思いました。シリーズの一番下のモデルでも上位機種と同じことが出来ると言うことは、とてもすばらしい!

さらに拡張されたOS.Ver4!

さて、今回OSがVer4にバージョンアップされたことによって、前回のAtomizerとは違ったサウンド、シンセシスに関連する様々な機能が追加、バージョンアップされ、強力なシンセサイザーとして成長しています。

最新版(Ver4)のVirus Control画面

このVirusControl画面は、トータルインテグレーションによってUSB接続されたホストコンピューターから直接もしくは、DAWからのプラグイン経由で接続、コントロールすることが出来ます。

今回バージョンアップされた機能は、

Overdrive Stomp Boxes
FXのDISTORTIONセクションに、オーバードライブ/歪み系、汚し系エフェクトの追加。

  • Mint Overdrive
  • Curry Overdrive
  • Saffron Overdrive
  • Onion Overdrive
  • Pepper Overdrive
  • Chili Overdrive

Vowel Filter
TalkBoxやVocoder、フォルマント操作のような効果が得られるFXセクション、FREQ SHIFTERに追加されたフィルターモード。(Vocoderはすでに搭載されています)これをアルペジエーターでコントロールするとこれまたすごい!さらに、今回追加された歪み系エフェクトやエフェクトでますます凄い音に!

Comb Filter
VowelFilter同様、FXセクションのFreq Shifterに追加された、フランジャーのFeedback効果のような強力なフィルター。これをLFOで変調したりアルペジエーターとともにコントロールすることで、さらに強力なサウンドに!

今回はまだリリースされて間もないOSの為、サウンドのデモはAccess社のデモにて紹介します

Virusの音の太さに加え、歪み系のFXで更なるサウンドの世界観を作り出しています。CombFilterのFeedbackサウンドや、VowelFilterのTalkVoxのような不思議なサウンドがいとも簡単に作り出せます。ReverbやDelayなどのFXも全てVirus単体のサウンドとして出力されています。

Arpeggiator To Matrix
アルペジエーターのMODEに、新たに追加された機能で、ただでさえ豊富なパターンを内蔵していのに、さらにそれを複雑にコントロールしたり、自由にパターンを作れる優れもの。

Access社のデモサウンド

FilterやPitch、モジュレーションのマトリクスでさまざまなソースをコントロール可能なアルペジエーターのサウンドを聴いてみて下さい。不思議な世界感を持つサウンドに仕上がります。

このように、今回のバージョンアップではサウンド作りとしてかなり拡張されたフィルターやFXを搭載し、他のバーチャルアナログシンセサイザーとはキャラクターの違った強力なサウンドを作り出せます。また、OSのバージョンアップは無償で提供されます。

TIシリーズはどこまで進化し続けるのでしょうか?恐るべし、VirusTIシリーズ。

関連オフィシャルレビュー
VIRUS TI Snow


オフィシャルレビューHD版について

ミュージックトラックのオフィシャルレビューHD版では、映像はPanasonicのLumixのGH1を使用し てハイビジョン映像を記録し、音声はマルチトラックでZOOM のR16を使用してデジタルレコーディングを行い、それぞれの素材をもとに映像編集しています。

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