SONAR V-STUDIO 100

音楽制作におけるハードウエアとソフトウエアの融合が、スゴイ完成度、かつリーズナブルな価格で実現してしまったSONAR V-STUDIO 100。今回も私、どっぷりハマってしまいました。

その特長を3ポイントでまとめると、

  • 高品位オーディオ&MIDIインターフェース、デジタルミキサー、コントロール・サーフェイスがコンパクトに合体
  • ハードにベストマッチングしたDAW(SONAR VS)でラクラク音楽制作
  • 単体でWAVEレコーダーとして機能

と、なります。

早速、SONAR V-STUDIO 100のハードウエア部分を見てみましょう。

まずは正面から。

①左上サイドは、ディスプレイとACT機能で使用するノブなど。

②左下サイドはデジタルミキサー部分で8インプット分のノブやパン、エフェクトのON/OFFボタン。(内蔵エフェクトはコンプレッサー、EQ、リバーブ/エコー)

③右サイドはSONAR VSを完全制御できるコントロール・サーフェイス部分。(100mmのタッチセンス付モーターフェーダーは、使い心地最高!)

このようにノブ、ボタン、フェーダーが、とても使いやすく整然と並んでいます。

フロントパネルにはHi-Zに対応した2ch分のフォーン入力、マイク入力の各端子と、SDカードスロット、ヘッドフォン端子があります。

リアパネルには、3、4、ステレオの5/6、デジタル入力の7/8チャンネルの入力端子、1~6チャンネルの出力端子、MIDI IN/OUT、USB端子があります。

このように、ハードウエアとしての完成度は、性能(最大24bit/96kHz)、コンパクトさ、使いやすさの両面でバツグンです。

使い易さをとことん追求した SONAR VS

では、SONAR V-STUDIO 100のソフトウエアを見てみましょう。 SONAR 8の素晴らしい基本性能を受け継いだSONAR VSです。 ド ライバーをインストールしておいて、SONAR V-STUDIO 100のハードウエアがPCに接続されていれば、セットアップも超簡単です。

見てのとおり、とてもシンプルで親しみやすいユーザーインターフェイスです。 下部はオーディオデータを試聴できるエリアで、上部にドラッグ&ドロップするだけで簡単にトラックが生成されます。 もちろん、オーディオ録音もMIDIの打ち込みも超簡単。 SONAR VSには、スタジオ・インストゥルメンツというVSTiが同梱されていて、これが超スグレモノです。

ドラムのVSTiを見てみましょう。

見た目がいいですね。シンバルを鳴らすと画面のシンバルが揺れます。しっかり鳴っている音がアニメーションするのです。 左側エリアでは、ドラムキットの音色切り替え、そしてこのVSTiに最適化されたハイクオリティなMIDIフレーズが収納されています。 なんと気に入ったフレーズはMIDIトラック上にドラッグ&ドロップ出来ます。まさにラクチン!!

同様にベース、エレクトリックピアノ、ストリングセクションのVSTiがあります。

すべて同じ仕様で、音色、MIDIフレーズコンテンツが満載です。 どのVSTiも音色が超ハイクオリティ!!考えうる音楽ジャンルをすべてカバーした音色バリエーションが完璧に網羅されています。 さらにACT機能(アクティブ・コントローラー・テクノロジー)がこのVSTiを含め、ミキサー画面やエフェクト画面でも有効で、抜群の使い易さです。

エフェクターも充実していますが、特筆すべきは、ボーカルに最適のVX-64 Vocal Stripで、ボーカルに使用すると極上の効果が得られます。

さらにマスタリングでグっと音圧を上げるにはこれBoost11 ピーク・リミッター

ギタリストには、ギターアンプシミュレーターのGuitar Rig 3 LEが嬉しい!気持ちよくギターが弾けますよ~。

ここで紹介した以外にも数多くの優れたプラグインが付属しています。これはウレしい!!

さて、SONAR V-STUDIO 100ハードウエアはマックにも対応しています。(マック用ドライバーも同梱)サーフェイス機能はMackie Controlにて動作します。 スタジオ・インストゥルメンツやVX64、BOOST11をまとめてVS Production Packと総称していますが、試しにマックでも試してみたところ、これらのソフトウエアも問題無くLogicやDPにて使用できました。

このようにSONAR VSを使用すれば初心者でも簡単に音楽を作ることが可能です。 もちろん、作った曲はWAVやMP3にすることも簡単で、CDライティングにまで対応しています。
ハードウエア単体を持ち出せ!

さらに、このSONAR V-STUDIO 100ハードウエアのスゴいところは、単体でWAVEレコーダーとして使える点です。

SONAR VSで作った曲をWAVファイルとして書き出し後、SDカードに転送しSONAR V-STUDIO 100ハードウエアのフロントパネルにあるSDカードスロットにさせば、再生が可能です。 さらにそのWAVファイルを聞きながらオーバーダビングで別トラックに録音も可能。

これは使える!!このハードを持ち歩けば録音スタジオを持ち歩くことと一緒です。しかもPCいらず!!面白い活用アイディアがどんどん出てきそうですね。

以上の流れを前篇、後篇に分けてムービーにて解説しています。 ぜひご覧ください!より深く面白くSONAR V-STUDIO 100のスゴさ、使い易さを実感できるでしょう。

ムービー前篇

ムービー後篇

さらにおすすめ

Waldorf Microwave XTk

Waldorfと言えば、近年ではblofeldとともに見事に復活したドイツのシンセサイザーメーカーです。Waldorfの歴史は、第2回のオフィシャルレビューで紹介したので、今回はこちらのMicroWaveXTkの紹介を中心に、レビューします。 MicroWaveXTシリーズは、...

ZOOM ZFX アドバンス編

この「アドバンス編」ではZFX Package付属のDAWソフト「Cubase LE 4」を使っての録音作業を解説していきます。 まずCubase LE 4をインストールしましょう。ZFX Packageにインストールガイドが同梱されているので、基本的にはこれを見ながら進めていけ...

YAMAHA MONTAGE ver3.5

YAMAHAのフラグッシップ・シンセサイザーMONTAGEのシステムがver 3.5にバージョンアップされました。最近のシンセサイザーは、システムのバージョンアップが行われることで新たなプリセットや波形などが追加されるのはもちろん、今まで無かった新しい機能が追加されたりするので、...

YAMAHA DX-5

今回紹介するのは、デジタルシンセの元祖YAMAHA DXシリーズの中堅モデル「DX5」です。 1980年代初頭、アナログシンセ全盛時に突如登場したFM(フリキュエンシー・モジュレーション)音源という、未知のデジタル方式によるシンセサイザーとしてあまりに有名なDXシリーズ。

CASIO CT-X5000

CASIO には、PRIVIA に代表される高品位なデジタル・ピアノや、光る鍵盤が特徴的なポータブル・キーボードがありますが、今回レビューした CT-X5000 はハイグレードキーボードというカテゴリーの製品です。

Waldorf blofeld

Waldorfと言えば1980年代にウェーブテーブル方式のシンセサイザーであるPPGWAVEをこの世に送り出し、今もなおその独特なモーフィングサウンドはPCM音源等で再現されています。 PPG以降、ウェーブテーブル方式も進化を遂げ(MicroWave, MicrowaveII...

もっと記事を見る

page top