第1回 ROLAND GAIA SH-01 What's GAIA? Preset64音色紹介

今回紹介するプロダクツはローランドの“GAIA”。SH-01というモデル型番がついているとおり、ローランドのアナログ・シンセサイザーの DNAが脈々と引き継がれたSHシリーズの最新機種なのです。

ホント、素晴らしいシンセサイザーです。今回を含め、全3回のロングラン・レビューでお届けしまっせ~!。

まずは外見からチェック!

これほど機能的でシンプルなパネルは、他では見当たりません。アナログ・シンセシスでできることは全て網羅しています。また、黒と白の精悍なコントラスト、つまみやスライダーの配置、自照式ボタンなど、惚れぼれする程の美しいデザインです。

さらに驚くべきことに...軽い!!(4.2kg)、電池でも動く!!(ニッケル水素電池で約5時間駆動可)。素晴らしい時代になったものです.....

SHシリーズ・ヒストリー

やはりここで、ローランドSHシリーズを振り返らないわけにはいきません。輝かしいSHシリーズ・ヒストリーをどうぞ!


SH-1000(1973年発売当時価格 165,000円)
国産第1号シンセサイザー。プリセット・タブレットで手軽に音色を変更できた。


SH-2000(1974年発売当時価格 185,000円)
アフター・タッチのついたプリセット専用アナログ・シンセサイザー。1Hz/oct方式を採用していた。


SH-3A(1974年発売当時価格:185,000円)
フィート列合成による分厚い音が特徴の1VCOのアナログ・シンセサイザー。


SH-5(1975年発売当時価格:260,000円)
ローランド初の2VCO+サブオシレーターを搭載。ピッチ・ベンド機能がついた最初の機種。


SH-1(1977年発売当時価格:99,000円)
1VCO+サブオシレーター。基本回路の構成にシステム700のノウハウが反映されたモデル。


SH-7(1977年当時価格:239,000円)
SH-5の後継モデルとして発売された2VCOタイプ。2基のVCOを生かしてデュアルボイスも可能。


SH-09(1977年発売当時価格:79,000円)
SH-1をベースに様々な部分でコスト・ダウンを図った結果、低価格を実現した。


SH-2(1978年発売当時価格:99,800円)
SH-09を2VCO化にしたパワーアップ版モデル。サブオシレーターも搭載。


SH-101(1983年発売当時価格:59,800円)
1VCO+サブオシレーターでモジュレーション・グリップを装着可能。電池駆動も可能だった。


SH-32(2001年発売当時価格:55,000円)
往年のSHをコンパクトなデスクトップモデル化し、リズム音源も搭載した。
バーチャルアナログ・シンセサイザー


SH-201(2006年発売当時価格:75,000円前後)
オシレーター部はSUPER SAW、FEEDBACK OSC波形も搭載。外部入力音専用フィルターや、PCとも連携できた。

GAIAの詳細

パネルは、アナログシンセの基本レイアウト

パネルを見ると分かるように、OSC(オシレーター)、FILTER(フィルター)、AMP(アンプ)、LFO(エルエフオー)が整然と並び、上段につまみ、下段にスライダーという抜群に機能的なレイアウトになっています。

EG(エンベロープ・ジェネレーター)もOSC用、FILTER用、AMP用に3基搭載。

何といってもGAIAの素晴らしいところは、このパネル上で音作りをするシンセサイザーが、TONE(トーン)という名称で3台用意されている点だ。


SELECTボタン(エディットするTONEを選択)、ONボタン(TONEのオン/オフ)で、自在に組み合わせ、エディットができる。例えば、この画像の場合だと、全てのTONEがONになっているが、パネル上のつまみやスライダーでエディットするのはTONE1とTONE2となる。

もし、全TONEがオンになっていた場合は、カットオフのつまみを動かすと全TONEのカットオフが変化する。

この仕組みにより、GAIAは、3×OSC、3×FILTER、3×AMP、3×LFO、9×EGという、大型モジュラー型並のアナログシンセサイザーとして機能してしまうのだ!!これはホントにスゴすぎます!!


さらにエフェクターも4系統という豪華版。歪、空間、残響、低音増強と至れり尽くせりで、ただでさえ太いGAIAのアナログサウンドに自在なサウンドメイキングを施すことが可能だ。


ローランドではお馴染みのD BEAM(ディービーム)による過激なパフォーマンスもイケてますが、さらにセンターキャンセル機能付の外部入力端子まである。

iPodなどのポータブル・オーディオ機器をつないで再生曲のボーカルを消し、マイナスワンにすることで即パフォーマンスができちゃいます。

私が最もGAIAで買っているのが、音色メモリーのセレクション部分。


バンクとナンバーのみ!

音色名を表示するディスプレイなんか、有りません!いや、そんなもんは、いらないのです!!

シンセブラス的音色を、リードで使おうが、ベースで使おうが自由です。クリエイティブに何の制限もありません。とかく音色名がついてしまうと使い手のイマジネーションまで限定されてしまう可能性があるのです。

GAIAでは、出てきたサウンドに常にニュートラルな発想で臨みましょう!必ずや発想/創造が爆発するはずです!気が付いたら64音色を一気に弾きまくっていた!

DVD内のムービーでは、GAIAに搭載されている64のプリセットをすべて紹介しています。ホントは10音色ぐらいの紹介のつもりだったのですが、あまりのプリセット音色の気持よさに創造力がかきたてられ、気が付いたら64音色を一気に弾きまくってしまいました。

その気持よく弾きまくっている私を見て、あなたもGAIAの魅力にハマってください(笑)。

次回からは、OSC(オシレーター)、FILTER(フィルター)の詳細や、エフェクターの効果的使い方、TONEの組み合わせ技などを、誌面とDVD内ムービーで徹底的にレビューします。

乞うご期待!!

What’s GAIA?編


Preset64音色紹介編


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